「私なんて、これくらいでいい」と思っていた
最近、スキンケアやヘアケアに時間をかけるようになった。たった10分ほどのことなのに、ある日、ふと思った。
「私、今まで自分のことを雑に扱ってきたんだ」と。
女性として、スキンケアやヘアケアに時間をかけるのは当然のことかもしれない。けど、私はこれまで本当にそういったことに時間や手間をかけてこなかった。
こう書くと、「その歳になって、ようやく美容に目覚めたの?」と思われるかもしれない。
でも、それとは少し違う。
ちゃんとケアをすると、その分結果が出るのでうれしくなる。
けど、自分ケアに時間をかけるようになった本当の理由は、自分を大切にしたかったからなのだ。
少し前までの私は、自分のことを後回しにするのが当たり前だった。
家族の予定を優先し、仕事を優先し、締め切りを優先する。
一日が終わってようやく自分の番がきても、「もう疲れたからいいや」と化粧水だけつけて終わる。
髪を乾かすなんてことはほぼしていない。
これまでは、そのことに不満に思ったことはなかった。
そういうものだと思っていた。
母になれば、自分より子どもを優先する。仕事があれば、自分のことは後回しになる。
「みんなそうなんだから」と、自分に言い聞かせてきた。
鏡を見る時間が、自分を好きになる時間になった
でも最近、その時間が変わった。
化粧水を手のひらで温めて、ゆっくり肌になじませる。髪を乾かす前にオイルをつけて、毛先まで丁寧に手を通す。
ほんの10分ほどのことなのに、不思議と心まで落ち着いていく。ある日、鏡を見ながら思った。
「私、今までなんでこういうことをちゃんとしてこなかったんだろう」
時間がなかったからではない。
お金がなかったからでもない。
自分には時間をかける価値がないと思っていたことに気づいた。
思い返せば、私はいつも自分にだけはなぜかものすごく厳しかった。
疲れていても、「もう少し頑張ろう」。
うまくできても、「もっとできたはず」。
誰かには「無理しないでね」と言えるのに、自分には一度もそんな言葉をかけてこなかった。
だから、肌に触れる手も、どこか雑だったのかもしれない。
自分を大切にすることは、特別なことじゃなかった
スキンケアをするようになって変わったのは、肌の調子だけではない。
鏡の前に立つ私の気持ちだった。
「今日もお疲れさま」
そんなふうに、自分に声をかけられるようになった。
その瞬間、気づいた。「最近の私は、自分を大切に扱えるようになっている!」と。
すごくうれしかった。
自分を大切にするというと、高価なものを買うことや、自分へのご褒美を用意することを思い浮かべるかもしれない。
もちろん、それも素敵なことだと思う。でも、本当はもっと小さなことなのかもしれない。
丁寧に髪を乾かすこと。肌に触れる手を少しだけ優しくすること。眠い日は、「今日は休もう」と自分に許可を出すこと。誰かに向ける優しさを、自分にも向けること。
それだけで、人は少しずつ変わっていく。
鏡に映る顔は、昨日とそれほど変わらない。
でも、鏡を見る私の目は変わった。前よりも、ずっと優しくなった。
鏡に映る自分に向かって笑顔を向け、ポジティブな言葉をかけている。自分を大切にすると決めた日から、自分との関係は変えられる。
最近、スキンケアやヘアケアに時間をかけるようになった理由を聞かれたら、私はこう答える。
「きれいになりたかったからじゃない。ようやく、自分を大切にできるようになったから」と。



