英才教育って必要なの?
わが子にベストな教育環境を与えたいと、0歳から塾に通ったり、早々に英語を習わせるなど、いわゆる「英才教育」を取り入れている家庭を多く見かけます。ですが、プロから見て、本格的な教育は何歳から始めるのが良いのでしょうか?
「私は英才教育のほとんどは役に立たないと思っています」(西村先生)
西村先生曰く、人間の脳は特別なことはしなくても、自然に成長していけるだけの、非常に安定した強固なプログラムがきちんと施されているんだそう。間違った英才教育とは、そのプログラムを無視して、無理矢理脳を作り上げようとするものだとおっしゃいます。
「実際に、子どもの意思に関係なく次々と英才教育を与えられたせいで『心がまったく波打たない子ども』を見てきました。そうなると、治すのに長い年月がかかります。同様に、過剰に偏った刺激を与え続けた結果、学習理解度に非常に偏りが出てしまったという例もあります。」(西村先生)
教育とは、親が意図的に与える英才教育などの「学習刺激」だけではありません。普通の生活の中で、親が知らないうちに子供が受けている「学習刺激」にこそ、ぜひ注目してください!
「友達との遊び、一人遊び、家でのお手伝いや会話を通じて、子どもは学習に結びつく刺激を受け続けています。だから、子どもには普通の遊びをどんどんやらせてほしいのです」(西村先生)
幼い子どもの心には、親と一緒に行ったお出かけ、買い物、旅行などが思い出とともに深く刻まれ、脳を成長させる刺激にとても効果的なんだそう。
子どもの成長を本当に応援したいなら、過剰な外部教育ではなく、まずはコミュニケーションがしっかり取れる、風通しのよい家庭環境を整えることが一番大切なようです。
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教えてくれたのは:「伝説の家庭教師」西村則康さん
40年以上中学・高校受験指導の現場で活躍し、延べ2,500人以上を超有名中学に合格させ、伝説の家庭教師と呼ばれる。現在は日本初の「塾ソムリエ」としてメディアにも多数登場。最新著書『わが子が勉強するようになる方法』(アスコム)が、新たな中学受験のバイブルになると話題に。