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50代だけど貯金が無い。あと7年も家のローンがある私……どうすればいい?#心理カウンセラーうさこの心を軽くする考え方

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 心理カウンセラーうさこの心を軽くする考え方
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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

心の奥深くに潜んでいる「信じ込み」に気づくことから。

回答

不眠症になるほど不安になっていらっしゃるのですね。
自営業と夜勤のパートをされているということですから、心も体も追い詰められてしまいますよね。
 
まず、私はお金の専門家ではありません。ですので、具体的なお金のテクニックに関するアドバイスはできません。そうした内容をお求めの場合は、専門家を頼られてくださいね。
 
私は心理カウンセラーとして、今の状況に関わるかもしれないと想像される心の部分についてお話をさせていただきますね。
 
実は、私たちは、今目の前で起こっている現実を自分で作り出しています。と言ったら、驚かれるでしょうか?「お金に困る状況を自ら作っているなんてありえない!」とお怒りになるかもしれません。
 
でも、私たちは知らず知らずのうちに、無数に起こりうる現実の中から、自分にふさわしいと信じているものを選びとっています。同時に、それ以外のものを排除しています。「無意識の部分で信じている自分」にぴったりなものを選び続けてきた結果が今の現実なのです。
 
ですから、お金のことに限らず、人生において繰り返し問題が起きる時というのは、心の奥深くに潜んでいる「信じ込み」に気づいていく必要がある時と言えます。

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たとえば、体に不調が起こったとき、対処療法でその時は症状が落ちついたとしても、根本原因を取り除かないままだとまた同じ症状が出てきてしまうということがありますよね。それと同じで、繰り返し問題が起こっているときは、それのもとになっている「思考」の部分を振り返ってみてほしいのです。
 
カモメさんは「この歳までお金の心配ばかりで来ました」と書かれています。では、「どんなことを心の中で信じているからこの問題を繰り返しているのだろう?」と、ご自分の中を見つめてみてください。
 
たとえば、繰り返しお金に困っている自分のことをどんな人だと思っていますか?
「ああ私ってやっぱり〇〇な人だなあ」と心の底から漏れ出てくるような言葉があったとしたら、〇〇にはどんな言葉が入りそうでしょうか?
 
「私はお金に恵まれない人なんだ」とか「私は誰にも助けてもらえないんだ」とか「私は一人で頑張らないといけないんだ」とか、そんなふうに溢れ出してくる言葉があったら、今の状況から一旦離れて、どうして私はそれを信じるようになったのだろう?と思い出してみてください。
 
過去を振り返ってその理由になるような出来事を思い出してみると、もしかしたら不安な気持ちでいっぱいだった昔のカモメさんが思い出されるかもしれません。そうしたら「怖かったね」と過去の自分を抱きしめ、安心させてあげてください。
 
私たちは過去の嫌な出来事を二度と繰り返さないようにと、心の中にルールを作って生きています。それがいつしか無意識の部分の信じこみとなっていくのですね。

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「ラクにお金を得るのは悪いことだ」とか「一人で頑張らないといけない」とか、もしも心の中にそんなルールを持って生きていたとしたら、どんなに「もうお金に苦労したくない」「助けてもらいたい」と今願ったとしても、無意識のルールを守り続けるほうの現実を選び続けてしまいます。
 
だからこそ、「私はもうお金に恵まれる人生を生きてもいいのかも」「私はもう誰かに頼って生きてもいいのかも」と、今まで「自分はこんな人だ」と信じてきたことと真逆の人生を自分に許可してみてほしいのです。
 
こんなふうに許可してみると、ほんのわずかでも「安心」の気持ちが広がってくるはずです。カモメさんが本当に求めているものは、お金ではなく「安心」ではありませんか?
 
そうなると、貯金がなくても贅沢ができるカモメさんのパートナーは、もうすでに「安心」の中に生きていらっしゃるのかもしれませんね。いったいどんな信じこみを持って、何を許可して生きているのか、想像してみたり教えてもらったりしてもいいかもしれません。
 
私たちは、自分の心のルールをやぶる人がいると、ついつい否定したくなるものです。でも、自分が否定してきたところにこそ、新しい可能性が広がっています。今まで自分が排除してきた世界を許可してみることでこそ、やっと今までとは違うパターンの未来を作り出していくことができるのです。
 
カモメさんが今まで自分に許可してこなかったものを許可していけばいくほど、未来の可能性は広がっていきます。そしてそこには、本当に求めている心の安心が待っているのではないでしょうか。カモメさんの心に「安心」が戻ってきますように。

 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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