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子どもが熱で早退。お迎えに行くのはママ?パパ?「仕事だから」と思考停止しないために考えてほしいこと

家族・人間関係

 子どもが熱で早退。お迎えに行くのはママ?パパ?「仕事だから」と思考停止しないために考えてほしいこと

2022.04.24

こんにちは。家事シェア研究家の三木です。 子どもの急な早退、長期休暇。そうしたときに仕事を調整するのは大変です。 夫婦で協力しながら、うまく分け合っている家庭もあれば、どちらかだけがほとんどを担っている家庭もあります。 今日は、子どもの休暇と親の仕事についてです。

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特集:親も子も幸せになるための「子育て」

以前、あるパパさんとこんな話をしました。
「子どもが急に熱が出たりして、早退しなきゃいけないとか、学校が早く終るとかで迎えにいかなきゃいけないの大変ですよね」
「ああ。そうですよね。でも、仕事があるのでどうしても妻に任せっぱなしになってしまっていて。申し訳ないとは思っているんだけど、こればっかりはどうにもならなくて」

お話をしていたご夫婦は共働きでした。
ふたりとも正社員でバリバリ働いているとのこと。

だから「仕事があるから」というセリフに、とてつもない違和感を感じてしまったのです。

「仕事があるから」は、半分は会社、半分はその人の問題

子どもが小学生になって気がついたことがあります。それは「なんて休みが多いんだ!」ってことです。

保育園時代は、親の都合に合わせて夜も長期休暇も預かってもらうことができました。
だから夜も18時まで預かってもらえていましたし(園によって時間はそれぞれだと思いますが)夏休みだってお盆前後の10日ほど。春休みだって数日程度でした。

ところが。小学生になると帰宅の時間は早いし、夏休みなんて丸っと一ヶ月もあります。
年末年始が終わったと思ったらすぐに春休み。そしてGW。
自分が子どもの頃は、あんなにも休みが恋しかったのに。親になってみると「なぜ、こんなに休みなんだー!!」と頭を抱えそうになります。

夏休み中の子ども出典:stock.adobe.com

子どもが休みのときに、親も自由に休んでのびのびできるんなら、それは嬉しいかもしれません。
でも親には親の都合があって、そんなに休んでばかりもいられません。

それでも子どもを放ったらかしにしておくわけにはいきません。
それを「自分は仕事があるから」と仕事を免罪符にしてしまうのは、ちょっとずるいんじゃないかと思うんです。

もちろん、仕事の特性上、本当に自分が休むわけにはいかない業務もあります。
時期によって、忙しい繁忙期だからちょっと今は休めない、ということだってある。
会社の理解が皆無で、子どもが理由で早退なんてしようものなら首にだってなりかねない、そんな会社もあるかもしれません。

調査結果のグラフ出典:eversense.co.jp

※出典:ninaruシリーズ調べ

たとえばこれは、男性の育休に関する調査結果ですが職場の理解のなさは、育児を夫婦で協力し合うことを阻んでいる原因になります。

よく「男性の家事育児参加」と言われますが、ぼくは本当に大事なのは「家事育児の夫婦協力」だと考えています。

男性の家事育児参加を促進しよう! というと何だか企業として良いこと、先進的な取り組みをしているように見えます。でも実態はそれをしないとは「家事育児の夫婦協力」の弊害になっているということです。

このように、仕事上の問題で妻に任せっぱなしになってしまう、という理由が半分だとしたら。
もう半分は夫婦の問題ではないでしょうか。

「仕事だから」と思考停止はずるい

子育てに悩むママ出典:stock.adobe.com

仕事だから、はお互いさまです。
休みやすい、休みにくいはあるかもしれませんが、それは社内で妻が「休みを言い出しやすいように調整し続けた結果」かもしれません。

周りに事前に伝えていたり、理解を促したり、業務内容を調整してもらっていたり。
その努力の結果を「君は仕事の調整が僕よりはしやすいから」なんて思われたら、たまったもんじゃありません。

その努力にタダ乗りするような形で、恩恵に預かるのはズルいんじゃないかなって思ってしまいます。

仕事だから休めないのは、普通で当たり前のこと。
周りの誰かに負担をかけても平気で気にならない、誰だってそんなわけがありません。

会社の理解がない。周りの協力が得られにくい。でも、社会の雰囲気はこの数年で随分と変わってきました。
男性が育休を取りたいと言っても、10年前のように珍獣を見るような目で見られることはないでしょう。子どもの熱や事情で仕事を調整しなくちゃならない、それを父親である自分がやらねばならない。そうした考え方自体は、理解不能な思考ではないはずです。

親子出典:stock.adobe.com

なかなか全部を半々にするわけにはいかないかもしれません。
でも、会社にかけあってみたり、仕事をやりくりしたり、育児をともにするパートナーとしての責任ある姿を妻に見せられることは、大きな信頼に繋がるはずです。

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著者

三木智有

三木智有

NPO法人tadaima!代表 日本唯一の家事シェア研究家/子育て家庭のためのモヨウ替えコンサルタント 家事シェア研究家のnote:https://note.com/tomoari_miki

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