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「やりたいこと」や「進路」を決められない子。親はどのくらい口出ししていい?

家族・人間関係

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2024.01.03

臨床心理士・公認心理師のyukoです。やりたいことがないから進路を考えるにもやるきがでない。進学について聞かれても困る、という子は多いです。そんなとき「親がどこまでレールをひいていいのか」悩む親も。やりたいことがない、どうすればいいのか決められない子へのサポートについて考えてみます。

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特集:親も子も幸せになるための「子育て」

やりたいことが見つからない子が増えている

インターネットやSNSで様々な情報が飛び交う時代。
リアルな情報があふれているからこそ、夢を持ちづらく、現実的・合理的に将来を考える子が増えているよう。

やりたいことが見つからないと悩む子には、どんなサポートがあるとよいのでしょうか。

やりたいことを見つけられない子にできるサポート

選択までの猶予を伸ばせる進路を勧める

進路指導では、進路を決める期限がありますが、焦って間に合わせる必要はありません。

10代半ばの子は、まだ広く多様に考えるのが難しく、「こういうもの」と考えが偏りやすくなるもの。
例えば、「やりたいことがないのに大学に行くのは申し訳ない」、「みんな目指すものがあって、進路を決めているはず」と思い込んでいる子は多いです。

そんなとき親が、大学は「長い将来どのように過ごしたいかを考える期間」としてもよいと伝えてあげられると肩の荷がおりるはず。

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捉え方や視野を広げられるような助言は支えとなるでしょう。

「やりたくない」を一緒に考える

今働いている方でも、心底やりたかった職業に就き、やりがいを持った職務を全うしている方は少数派でしょう。
それでも、「悪くない」と感じられる働き方ができていれば、仕事を続ける十分な理由になりえるはず。

進路を考える上では、「やりたくない」を見つけるのも大切なんです。

例えば、

  • ノルマをこなすような仕事は負担に感じるだろう。
  • 一日中人と対面でやり取りするような職は向いていなさそう。
  • 0から物を作り上げる、企画するなど、発想力を求められるのは合っていないかも。

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自分の強みを聞かれるよりも、弱みや苦手を聞かれる方が答えやすいもの。

「向いていなさそう」「やりたくない」を一緒に見つけられると、「だったらこんな道はどう?」と提案しやすくなっていきます。

まずは「悪くない」と思える道を見つけていくのもよいのでは。

手を差しべる範囲は子どもによって異なる

今の世の中では、「子どもの主体性を尊重すべき」「親が子どものレールを敷いてはいけない」という考えがメジャーですよね。
また、親ガチャ・毒親などの言葉が浸透し、子どもから親に向けられる視線は厳しくなっているように感じます。

そんな中、「子どもの進路にどこまで口を出してよいかわからない」「親である私が誘導するのはよくないですよね」と悩まれる方が増えています。

たしかに、子どもが求めていないのに「あなたには〇〇が向いていると思う」「その進路はよくないんじゃない?」と言い過ぎるのは推奨できません。

ですが、子どもが将来について悩んでいるとき、考え方を提示したり、選択の幅を広げる、もしくは少し限定して考えやすくするサポートはあった方がよいでしょう。

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私が保護者の相談を受けるとき、大切にしている質問があります。

それは「子どもにどんな大人になってほしいと感じていますか?」という問いかけです。

この答えが「地元からは出ず、公務員になって安定した生活を送ってほしいです」「まずは〇〇以上のランクの大学に入ってもらわなきゃ困ります」など、限定された明確なものであれば、子ども自身の要望や意見を探り、親子の距離感を見ていきます。

一方、「健康で楽しく過ごしていてくれればいいなあ」「親が離れたときを考え、自立さえしてくれれば」などのざっくりした考え方であれば、親ができる子どもへの助言やサポートを一緒に考えていきます。

子どもに対する親の期待が、限定的なものであれば、子どもは「レールを敷かれた」と感じやすいもの。

一方、ただ子どもの健康や幸せを願っているのであれば、「ヒントをくれた」と感じられます。
「親がどんな気持ちで子どもに寄り添おうとしているのか」が、子どもの進路をサポートする上で大切なんですね。

 

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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