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50歳。子どもが産めない私を受け止めてくれる彼。でも借金で一緒に住むこともできず将来が見えません…。#心理カウンセラーうさこの心を軽くする考え方

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 心理カウンセラーうさこの心を軽くする考え方
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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

まず現状を受け止めることから。

回答

望む未来に向かって現状を変えていこうとするとき、まず必要になることは、現状を受け止めることです。

たとえば、今は無職である風鈴さんが、「少しでも元気な状態で働きたい」と考えたときには、まず現状の疾患の状態をよく把握して受け止めて、「少しでも健康な状態に戻していくためには、治療や日々の生活でどんなことをしていけばいいか」と考えたり、「疾患がある状態でも体に負担をかけないように仕事をするとしたらどんな働き方ができるかな」と考えていくことが必要になりますよね。「疾患がある体なんて嫌だ。いつ治るかわからないなんて嫌だ」と受け止めずにいたら、望む未来について何が必要かを考えて選んでいくことができません。

それと同じように、「結婚をしたいけれど、子供は望めないかもしれない」という風鈴さんの現状を、彼は受け止めてくれているのですよね。彼は子供を持たない未来も自分ごととして捉えた上で、風鈴さんとの幸せな未来を作っていこうと考えていらっしゃるのではないでしょうか。

そして、もしも彼と一緒にお金に対する不安を少しでも解消した状態で未来を築いていきたいと思ったら、「彼は今、借金がある状態である」という現状を受け止めた上で、そこからどうすれば二人で望む未来を作っていけるのか?を考えていく必要がありそうです。

手をつなぐ男女出典:stock.adobe.com

となったときに、どうも風鈴さんは、今はまだ借金がある彼を受け止めてはいないように感じました。「借金があるのは彼の問題であって、私の問題ではない。それなのに、どうして私が彼に協力をしなくてはいけないの?……」なんとなくですが、そんな声が聞こえてくるように感じるのですが、いかがでしょうか?

彼から「君の家に同居は?」という話が出たのですが、借金返済でお金が出てる彼都合で同居の提案は絶対ヤダ!と断固拒否しました。

と書かれていますが、もしも風鈴さんの家で同居する提案を受け入れてしまったらどんな未来がやってくると想像しているのでしょうか?どうなってしまいそうな不安を感じているのでしょう?そしてそれは本当でしょうか?

あるいは、風鈴さんの家で同居をすることは、彼にどんな扱いをされているように感じて「断固拒否」なのでしょうか。「借金返済の目処が立たない」と言われると、どう扱われているように感じて、怒りを感じるのでしょうか。

「〇〇な人だと扱われているような気がする」

この〇〇な部分に入る言葉が何か浮かんでくるか、ちょっと考えてみてください。

彼は本当にあなたをそんな人として扱うような人でしょうか?
あなたをそんな人だと扱っているのは、もしかしたら、彼ではなく、あなたご自身ではないでしょうか。

この辺りに、彼の現状を受け止めにくくしている、風鈴さんの怒りや不安の正体があるかもしれません。

悩む女性出典:stock.adobe.com

結婚とは、あなたが大切にしたい人と一緒に生きていくことです。一緒に生きていくためには、自分と相手の現状をまずは受け止め、そこから望む方向へ進んでいくために二人で考え、自分たちならではの人生を一緒に作っていくことだと思います。

彼はあなたにとって一緒に生きていきたい人でしょうか。それともそれが難しい人でしょうか。それを決めるのは、風鈴さんご自身です。

彼が子供を望めない私を受け入れてくれたから、私も彼の借金を受け入れなければいけない、なんてことはありません。

「彼の借金だけは、どうしても自分ごととして捉えることができない」と感じるのであれば、その正直なお気持ちをまずご自身が受け止められたらいいと思いますし、「一年以内に借金のない状態で一緒に暮らせることが私の結婚の条件だ」と決めるなら、その気持ちにしたがってもいいでしょう。

「進展もないままズルズルしたくないし、もう私は50歳だし、あなたは若いからまだ希望あるけど私は数年も待ちたくないから、ダメならお互い別の人探そう!」

この気持ちが風鈴さんの本心であれば、そういう選択肢もあるでしょう。

選択肢出典:stock.adobe.com

そして、他の本心があるのであれば、世間の常識や評価にとらわれずに、ご自身の本心を受け止めてみられたらいいと思います。

誰かを信じるというのは、その相手を信じると決めた自分を信じることです。
大切な人に「頼る」ためには、その人に対する「信頼」が必要です。
誰かを信頼するためには、何よりもまず自分への「信頼」が必要です。

風鈴さんは、どんな疾患を抱えていても、子供を産んでも産まなくても、いくつになったとしても、大切に愛される女性です。幸せに生きることができる女性です。

そう心から信じていたとしたら、自分のためにどんな未来を選んであげたいですか?
どんな選択をすることが、自分のことを一番好きでいられると思いますか?

大切なのは、誰かに幸せな状態を作ってもらうことではなく、まわりがどんな状況であったとしても、自分を幸せにするための未来を自分で選べること。それが自分への信頼を育ててくれるのではないでしょうか。

結婚したら、きっといろんなことがあります。想像もしないことが起こる可能性だってあります。そのときに、この人とならきっと大丈夫!そう思えるかどうかは、自分が選んだ人だから大丈夫!そう思えるかどうかだと思うのです。

どんな選択にも間違いはありません。今の気持ちをうやむやにせず、しっかりと受け止めてみること。そして、自分の人生の主導権を握り、自分の手で未来を選んでみること。それがきっと自分への大きな信頼へつながるはずです。応援しています。
 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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