どうして朝起きられないの?
朝起きてこない子に対して、怠けている、面倒くさがっている、だらしない、という印象をもつ方も多いのではないでしょうか。
ただ、何度呼びかけても朝起きてこられない子の背景には、様々な困難さが隠されていることも。
・生活リズムの不規則さ
・学校への抵抗
・抑うつ感・不安の高さ
・自律神経の乱れ
・血圧の低さ・高さ
・気圧や気温への敏感さ
寝起きの悪さには、日中の活動への抵抗感、気分の落ち込みや、環境の変化に対する不安の強さも関係しています。
また、新しい学校やクラスへの適応が難しい子の中には、登校日の朝に身体症状を訴える子も。
言い訳や仮病とみなさずに、子どもが訴える辛さに耳を傾けるのも大切な関わりです。
また、朝だけ具合が悪い、習慣を変えても身につかない子には、「起立性調節障害」という疾患が隠れていることも。
「起立性調節障害」は、小学生の5~10%が抱えているともいわれているんです。
「朝に症状が強く夜に軽快する」「季節によって起きやすさが変動する」「めまいや動悸、腹痛や吐き気がある」などは、起立性調節障害を抱えるお子さんの特徴として知られています。
気にかかる方は、専門家を受診するのもひとつかもしれません。
朝起きるのが苦手な子に試したい5つの工夫
寝る前から部屋の明かりを一段階暗くする
眠くなくても、決めた時間に布団に入っておくのが大切です。
その際、一段階部屋の明かりを暗くし、「寝る前」という雰囲気を作るのがポイント。
白色の光よりもオレンジ味がかった光の方が眠りを誘いやすくなるので、おすすめです。
家族内で一定のルールを設ける
夜寝る時間が不規則なせいで朝起きられない子には、一定の生活ルールを設けることが有効。
・入浴は8-9時の間に済ませる
・12時までには家族全員各々の布団につく
・宿題が終わらなかったら朝起きて行う
日々の生活をルーティン化できると、生活リズムが整い、体内時計も調整されていきます。
休み明けの月曜日は、休みから平日に切り替える曜日とし、火曜日から金曜日は一定のスケジュールをこなす感覚を身につけていくのもひとつです。
夕方、夜に運動する
30~1時間ストレッチをして血行を良くしたり、散歩をして体を動かすことが有効です。
運動というと、ランニングや筋トレをイメージするかもしれませんが、激しい運動ではなく、楽しんで行えるもので大丈夫。
縄跳びでもヨガでも、興味を持てそうなところから、毎日のルーティンの中に組み込んでいけるといいですよね。
「暑さ」と「熱さ」に注意する
気温が高いと血圧が下がり、心拍数が上がると、体内のバランスが崩れやすくなります。
また、発汗による脱水症状は眠りの質も下げてしまいます。
光熱費への負担感はぐっとこらえて、寝るとき・起きるときの暑さ管理をするのも大切なんです。
また、入浴時、熱いお湯につかってしまうと交感神経が刺激されやすくなります。
熱さの感じ方は人それぞれですが、数分間しっかりと浸かり、リラックスできるくらいのぬるめのお湯がおすすめです。
最も眠りやすくなるのは、温まった体がクールダウンする時間といわれています。
子どもがちょうどいい暑さ・熱さを見つけていけるといいですよね。
少しずつ環境を変えながら起こす
忙しい日々の中で、何度呼んでも起きてこない子に、ついイライラしてしまうのも当然です。
ただ、朝起きない度に否定的に叱ってしまうと、朝を迎えるのが親子共々嫌になってしまうのではないでしょうか。
10分から15分ごとに声をかけ、カーテンを開けたり、エアコンをつけるなど、少しずつ環境を変えてあげるのもひとつです。
また、血行をよくするために背中をさすったり、前屈を促すなどの関わりもよいと思います。
「ご機嫌な朝」を一日ずつ増やしていく
慌ただしい準備の中、子どもを根気強く起こし続けるのは苦行ともいえる時間ですよね。
起こさなければいけない親も、起きなければいけない子も、イライラする気持ちから一日が始まると、疲れてしまいますよね。
気持ちよく迎えられる朝が、一日ずつ増えていけることを願ってます。