「味を決めなければいけない」という呪縛から解放
「味が決まらない」や「味が分からなくなる」といった数多く聞くお悩みに対して、私は「あえて薄味で作っておく」という提案をします。
味付けを極力シンプルにすることで、「味を決めなければいけない」という呪縛から解放されましょう。
家庭料理とは「味の余白を残す」ことも大切で、そうすることで食べる人が自分で味を決められる「自由さ」があります。
と言うのも、一緒に暮らす家族といえどもその日の体調や好みに差があるものです。
例えば、今日は辛い味が食べたいとか塩分を控えたい……などです。
ですから「味を決めず」に各自が自由に調節できるように薄味で仕上げます。
私は数年前、胃腸の調子が悪くなり数日食事を控えめにしていた時がありました。
そして快復した後、「塩だけで調味したトマトスープ」を飲んでそのおいしさに涙が出たことを思い出します。
素材そのものの味と少し塩を加えただけで、これほど甘さが引き立つのかと感動しました。
そもそも、出来合いのものや外食が続くと、比較的濃い味を求めそれに慣れていきます。
確かにパンチがあるものが無性に食べたくなる時もありますが、家庭料理にはそれをリセットして味覚を整えるよさもあるのです。
薄味に慣れて、ぜひ旬の素材の風味を味わい楽しみましょう。
そこから各自の好みで薬味や調味料を足してカスタマイズするのも、家庭料理の醍醐味です。
今回ご紹介する料理は少し多めに作っておいて、翌日以降は味を変えたり具材を追加したりして使いまわしてくことも可能です。
イメージしやすいのはカレー味に変化させたり、チーズをトッピングしてみるなどです。
また、余りがちな調味料(ナンプラーやスイートチリソース)や、使い切れない市販のタレやドレッシングで味を足していくのも新しい発見があります。
毎日毎回、料理をイチから作るのは気が重いときもありますから、ぜひ上手く使いまわして「明日をラクに」していきましょう。
塩ポトフ
<材料>4人分
・人参……1本(皮付きのまま乱切り)
・玉ネギ……1個(串切り)
・ウィンナー……8本
・ごぼう……1本(乱切り)
・サツマイモ……2分の1本(10cmセンチ程度、乱切り)
・水……3カップ(600ml)
・白だし……水3カップに対する各メーカー「お吸い物」の分量
・塩……適量
・鰹節……適量
・かいわれ大根……適量
・ブラックペッパー……適量
・油……大さじ1
<作り方>
1.鍋に油をひき、人参・玉ネギ・ウィンナーを中火で軽く炒める。
2.油が回ったらごぼう・サツマイモ・水を入れて蓋をする。
3.湯気が出てきたら弱火で10分煮込む。
4.蓋を取って塩で味を調え、器に盛って鰹節・かいわれ大根を乗せてブラックペッパーをかける。
バラともやしの蒸し物
<材料>2人分
・豚バラ薄切り肉……250g(食べやすい大きさに切る)
・もやし……1袋(200g)
・ニラ……2分の1束(3cm程度に切る)
・ごま油……大さじ1
・塩コショウ……適量
*つけダレ
・ポン酢しょうゆ
・柚子胡椒
・ラー油 などお好みで
<作り方>
1.蓋ができるフライパンに、もやし・ニラ・豚バラ薄切り肉を重ねてごま油・塩コショウをかける。
2.蓋をして中火加熱し、肉に火が通ったらできあがり。お好みのタレを付けてどうぞ。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。