家庭料理は料亭料理ではない! ひと手間を積極的に省こう
大根料理で一番最初に思い浮かぶのは、汁がたっぷり染み込んだ「おでん」でしょうか。
または、とろ~りと餡をかけた「ふろ吹き大根」を思い出す方もいらっしゃると思います。
しかし、「食べておいしい料理」が必ずしも「家庭で作りたい料理」ではありません。
丁寧に面取りして下茹でした大根を、出汁をひいた汁の中で何時間もコトコト煮る……など、その工程や時間を考えただけで作る気力を失うこともあります。
一方で家庭料理は料亭料理ではありませんので、やる気をなくす「ひと手間」を省くことにも罪悪感なく積極的に取り組みましょう!
そもそも「めんどくさい」を減らすポイントは「下準備」。
そして「失敗」を減らすポイントは「味付けのコツ」です。
下準備
まず、「下準備」については前回お伝えしたとおり、買ってきたらすぐに調理できるように切ったり、下味を付けたりしてしまうことが大切です。例えば大根の皮を剥いて1cm程度の輪切りにして冷蔵保存しておくと、加熱した時に繊維が崩れて味が染み込みやすく、柔らかく仕上がります。
荷崩れを防ぐ面取りや、味を染み込みやすくする隠し包丁は家庭料理では省きます。
とにかく「気楽さ」が第一です。
味付けのコツ
次に「味付けのコツ」です。
「味が決まらない、染み込まない」という問題は使う調味料や合わせる具材でほぼ解決できます。
そもそも大根そのものに主張の強い「味」はありません。
例えば煮物なら、コクが出る肉や魚を合わせましょう。
鶏もも肉や豚バラ肉、魚ならブリなどが思い浮かぶと思いますが、面倒くさい場合は鯖缶やサンマのかば焼き缶などの缶詰を使ってもいいでしょう。
缶詰を使う場合は、その缶詰の味付けに少し塩味を加える程度で味が決まると思います。
それ以外の場合の調味料は、シンプルに醤油とみりんで仕上げてみましょう。
比率は醤油とみりん1:1.5です。最後に味見して薄ければ醤油を、濃ければ日本酒・みりん・水などを加えて薄めます。
また出汁の風味をだすには、水で戻した干しシイタケや昆布や鰹節などの出汁が出る食材をそのまま一緒に煮込めば大丈夫です。
調理方法
調理方法は、蓋ができる鍋に材料と調味料を入れて中火で沸騰を待ちます。
沸騰したら弱火にして10~20分煮込み、大根に火が通ったら蓋をとって中火で煮詰めて完成です。
そのまま冷ませば、その間どんどん味が染み込みます。
食べる直前に再度加熱すれば、じっくり煮込んだような照りが出ますから安心して下さい。
また味に変化を持たせたい場合は、コチュジャン・ラー油・カレー粉などパンチのある調味料を最後に加えるのもおすすめです。
味が決まらないと悩んだら、一旦薄味で仕上げてあとは各自が好みで「味変」させていくという方法もあります。
わさびやからし、チーズやタバスコ、柚子胡椒に七味唐辛子などを使ってみましょう。
または、小ネギや生姜などの薬味を追加することで、滋味深い大根の味が一層引き立つこともあります。
和洋中にエスニック……どんな味付けでも受け入れる大根は、実に懐が深い野菜です。
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