教えてくれたのは……木村由依(きむら よしえ)さん
女性のためのハウスクリーニング「クリスタルミューズ」代表。ハウスクリーニングの専門技術と思考と空間を整理するライフオーガナイズ®のスキルを組み合わせた独自のメソッドでサービスを提供。「掃除・片付け・講師」の 3つのサービスを柱に、お客様の要望に寄り添う丁寧なサービスが人気。テレビや講座など多方面で活躍中。
汚れをしっかり落とそう
浴槽を使っていないお宅では、「浴槽はそんなに汚れていない!」と思う人は少なくないそうです。しかし、実際にはその逆なのだそう。使っていないからこそたまる汚れ、それはカルキ汚れです。“汚れは時間の経過とともに手ごわくなる”のですが、あまり使わなかった浴槽はこれに該当します。さらに浴室ドアの通気口は「ぬれる→乾く→ぬれる→乾く」の頻度が高いとカルキによるザラザラした汚れが増えるのです。
さらに「ぬれる→乾く」のサイクルに洗面所から換気扇がホコリを引き込むので、正確には「ホコリを含むカルキ(頑固レベルアップ)」が発生します。
「カルキ汚れを落とす前」に取り組みたいこと
アルカリ性洗剤が対象の汚れからご紹介します。
ヌメリや髪の毛などは、ブラシでかきだしてからアルカリ性洗剤を使うと効率的です。
1.天井・照明カバー・換気扇フィルター
天井・照明カバー・換気扇フィルターにはホコリが付着し、カビの胞子に変化している確率が高い場所。洗剤でしっかり汚れを除去する。
2.小物の棚・洗面器・イス・ボトル類
ボトルの底はヌメリ汚れの温床です。流水とブラシでヌメリを除去してから、洗面器などと一緒に洗剤で洗う。
3.浴槽・循環アダプター・排水キャップ・浴槽のふた・給湯器のリモコン
細かなパーツはスポンジだけでは汚れが取り切れない。ブラシやハケを駆使して、面、角、すき間などを意識して汚れをかき出す。
4.扉・レール
扉には通気口があり、ホコリがたまる。扉の両面や溝にたまった汚れを見逃さないようにする。扉のレールにはヌメリ、髪の毛、カビなどがたまりやすいので、ブラシやハケでかき出しながら汚れを除去する。
5.鏡、カラン、シャワーヘッドとホース、排水口、床
床は、中央より四隅の方に汚れがたまる。排水口内部のパーツもできる限り外して、内部のヌメリを取り除くことで、悪臭を防ぐことができる。
「カルキ汚れ」の落とし方
洗剤で汚れをゆるませておけば、スポンジやブラシなどの道具で落ちやすくなるそうですよ。ここまでの過程を済ませてから、ようやく手ごわいカルキ汚れに着手。アルカリ性洗剤で落とせなかった汚れは、酸性洗剤を使用します。酸性がない場合は、クエン酸や酢でも代用が可能です。
- 小物類・浴槽の縁・側面・浴槽のふた・給湯のリモコン:カサカサした手触りの正体はカルキ。
- 扉のレール:ヌメリと乾燥を繰り返し、茶色いカルキが付着しているケースが見受けられる。
- 鏡についた白いモヤモヤ:まさにカルキ。シャワーヘッドも同様です。
- カランについた白いモヤモヤ:石けんカス。石けんカスもカルキ同様のアルカリ性の汚れなので、これも酸性洗剤で落とすことができる。
力任せに落とすことはやめよう
酸性洗剤で落とす汚れは硬くて手ごわいことが多いので、少し時間を置くことで落としやすくなります。
〈手ごわい汚れを落とすコツ〉
- 5~15分を目安に時間をおく。
- 鏡やレールなどは洗剤を塗布したあとに、ラップなどでパックするとより浸透しやすい。
柔らかいスポンジでは取れないことが考えられるので、研磨力のある硬いパットスポンジやヘラなどでこそげ取ったり、メラミンスポンジでかき取ったりすると、本来のツルツルした手触りになるそうですよ。
※力任せに落とすと、本体を傷つけますのでやめましょう。
目に見えなくても、触ってみて気づく汚れはたくさんあります。みなさんも確かめてみてください。
※こちらの記事は元記事の提供者さまより許可を得て作成しております。