連載記事

学生時代から仲が良い友人の家族自慢がつらいんです……。43歳女性のお悩み相談

カルチャー

 学生時代から仲が良い友人の家族自慢がつらいんです……。43歳女性のお悩み相談

2022.09.11

ガンバラナイクリエイター、おのすんと申します。 小さい頃から頑張りすぎて、なんのために頑張っているのかわからなくなり、ついに過労で倒れた経験から自分を大切にする「ガンバラナイ生き方」を発信しています。今回の相談者さんは「友だちの家族自慢がつらい…」というお悩みです。

広告

連載:おのすんのガンバラナイための人生相談

相談:友だちの家族自慢がつらい…

イラスト

(滋賀県 43歳 浩美)

学生時代から仲が良い友人なのですが、このところ会えば家族の自慢話ばかりで聞くのが辛くなってきました…。

この間も立て続けに家族自慢されました…

「息子が塾の試験で高得点で表彰されたのよ!」
「娘が可愛くて性格もいいせいか、何度も告白されてるみたい!」
「旦那が異例の昇進で給料アップしたの!」

私が普通の話をし始めても全く興味を示さず、すぐに家族自慢の話に戻ります…。学生時代はいろんな話で盛り上がり、楽しい思い出ばかりであるだけに、自分の話を聞いてくれなくなり、なんだかショックです。

この友人とは少し距離を置いた方がよいのでしょうか。
 

指一本で関係を“ブロック“できる時代。距離を置くのは、あくまで最終手段です

回答

学生時代から仲良しの友人が変わってしまったら、確かにショックですよね。楽しかった思い出の中の友と、現在の友を比べては、「あれれ?」と戸惑ってしまいそうです。他人の自慢ていうのは聞いていて楽しいことなんてないし、できれば学生時代のようにくだらないことで笑い合っていたいものですね。

今、「距離を置くかどうか」で悩んでらっしゃるみたいですが、私はもっと先にできることがたくさんあるような気がしました。距離を置くって、ぶっちゃけすごく簡単なんですよ。LINEのアプリ開いてシュッ、それで人間関係って終わっちゃう時代なんですよね。それって、人と距離を置きたいと思っている人にとってはすごく便利ですけど、距離を置かれる側にとってみたら弁解のチャンスも何もなくて選択肢がゼロなんです。最近は誰もが人をブロックできるし、誰からもブロックされるし、ある意味平等です。けど、何か失われたものがある気がしませんか。

それは、話合いっていう「行動」だったり、関係を修復しようと試みる「時間」だったりするのかもしれません。ものすごくめんどくさいし、効率さや手軽さのカケラもないけれど、それはそれは大事なものだと私は思います。最近知り合った友人ならまだしも、学生時代から仲の良かった友人なら、もう少しそのめんどくさい過程を受け入れてあげてもいいのではないのでしょうか。かつての彼女に免じて、何かしらこの友人にチャンスをあげてもいい気がするんですよ。

だから、距離を置くかどうかではなく、「関係修復に向けて今何ができるか」という点をぜひ悩んでいただけたらと思います。例えば、なぜ友人は自慢をしているのか、なぜあなたに自慢しているのか、それをやめてもらうにはどうしたらいいか、について考えてみるのはどうですか。もしかしたら、自慢せずには自分を保てないほど、コンプレックスを感じることが増えたのかもしれません。あなたの人生が全てうまくいっているように見えて、知らず知らずのうちに自分を良く見せたくなったのかもしれません。

基本的に、他人が本当に何を考えているかなんて全然わからないし、直接相手に聞いたところでそれが共感できるものとも限りません。でも、あなたが自慢を聞かされるのが嫌ってのを伝えないことには、友人はそれを知らないままです。逆も同じで、友人の本当の気持ちを、あなただって知らないはずです。話し合いで解決できるとは限らないけど、話し合わないことには何も解決しないのもまた事実なんですよね。

距離を置くのは簡単でも、その人との関係が切れる以外、何かが問題が解決した訳でもなんでもないです。話し合った結果本当に嫌いになったら、別に距離をおけばいいんですよ。恐らくですが、自慢されているというだけでは、距離を置く決定打にならなかったから、今回あなたは相談してくださったんだと思うんです。もし、お金を返してくれないとか、意地悪してくるとかだったら、もうあなたの心だってとっくに離れているはずです。まだ関係を続けられるなら続けたいという気持ちが奥底にあるから、きっと悩まれていたのではないですか。

私自身反省しているところなのですが、LINEで人をブロックしてしまったことって過去に結構あるんですよね。LINEじゃなくても、何も言わずに一方的にフェードアウトしたこともあります。ただ、今はすごく後悔していて、その人のことを知らないまま終わってしまったことがもったいなかったと思っています。相手が本当は何を考えていたのかは今も全くわからないままで、争いへの怖さやめんどくささが勝ってしまった自分がそこにいました。

距離を置くのは、あくまで最終手段です。今できることをやってからのほうが、後から後悔もない気がしますよ。最後になりますが、自慢というのはあくまでコンプレックスを持っている人がやりがちな行動の一つで、本当はその人の自信のなさを象徴するもののように思います。自慢の内容は事実だとして、その事実が客観的に見てどんなに素晴らしいものだとしても、本人が劣等感を持つかどうかはまた他の話です。なぜその友人が自慢しているのかというところに立ち返り、一緒に話し合いができたら最高だと思います。お二人の関係が一山超えて、もう一段深まりますように。ご健闘を祈っています。
 

広告

著者

おのすん プロフィール画像

おのすん

コラムニスト。「わたしはもう、がんばらない」をキャッチコピーに、主にインスタグラムで活動中。無理しすぎる人や、我慢しすぎる人に寄り添う発信をしている。自身もかつては、重度の頑張り屋さんであった。

気になるタグをチェック!

saitaとは

連載記事

ガンバラナイクリエイターおのすんのガンバラナイための人生相談

広告