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【ガンバラナイ人生相談】やりたいことを仕事にしている友人が眩しい……私も、と思ってしまいます

カルチャー

 やりたいことを仕事にしている友人が眩しい…

2021.05.09

ガンバラナイクリエイター、おのすんです。 小さい頃から頑張りすぎて、なんのために頑張っているのかわからなくなり、ついに過労で倒れた経験から「ガンバラナイ生き方」を発信しています。普段はインスタで人生相談にのっていると「やりたいことをして生きたい」というお悩みを多くいただきます。「ガンバラナイ生き方」=「やりたいことをして生きる」だと思われるのかもしれません。

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連載:おのすんのガンバラナイための人生相談

「やりたいこと」で生きていく?

やりたいことをやろう、仕事にしよう、最近そんな考え方をよく目にしませんか。本屋さんに行くとこの類の本が平積みされていますよね。一方で、やりたいことがわからない人もたくさんいるのでは。

今回は、やりたいことやお仕事について考え中の相談者さんからのお悩みを取り上げてみます。

相談:職場ではお荷物ぎみ……趣味を仕事にした友人がうらやましい!

会社で事務の仕事をしています。40歳のときに経験もほぼない私を採用してくださった今の会社には感謝しかなく、自分なりに精一杯やってきました。しかし、最近やはり若い子たちのスピード感やパソコンなど機械の操作などで足手まといになっている気がしています。

今までは子どもの教育費のためと頑張ってこれましたが、もうすぐ2人目の子どもも大学を卒業。仕事で足手まといになっているところで頑張れるほどのモチベーションを保つのが難しくなっています。

友人が最近、夫婦で小さな古民家カフェを始めた人がいてなんだか羨ましく感じます。彼女はパン作りが得意だったので、カフェでパンを出していると聞いて「私も残りの人生を自分の得意なこと、やりたいことをして生きてみたい」と思ったのです。

もちろん、やりたいことをやるということは、金銭面で苦しいこともあるのかもしれません。やりたいことを仕事にしている友人がまぶしく、憧れる自分がいます。やりたいことを仕事にするにはどうしたらいいと思いますか。


(神奈川・48歳・女性・事務)

「好きなこと」が仕事になっている人って本当にいる?

好きなことを仕事に…は幻想なのか?イラスト:フジコ

憧れるのであれば、やってみればいいと思います。「私だって!」と思うなら、一度やってみるしかありません。

しかし、私は「好きなことを仕事にする」と聞くと「そんな人いるのかな」とも思うのです。

ひと昔前であれば、仕事は辛くて当たり前、我慢して当然のものと考えられてきましたが、今はかなり考え方が変わってきているのだと感じます。そしてそれはすごく歓迎できる風潮です。我慢は万病のモト! 私も我慢に我慢を重ねて倒れた経験があるので、それはよーーく理解しています。

しかし「我慢して頑張る仕事」の裏側は「好きなことを仕事にする」なのでしょうか?

他人の趣味に、お金は払えない

私がコラムニストとして活動しているから、おそらくやりたいことをやっていると思ってか「好きなことを仕事にしたい」と相談してくれる方は多いです。でも実は、私はやりたいことを仕事にしていません。

なぜかというと私としては「やりたいことを仕事にすることは無理」だと思っているからです。もっと正確にいうと、やりたいことをやりたいようにやってお金をもらうのは不可能だ、と考えているんです。

やりたいことを仕事にするという考え方をもっと噛み砕くと、自分の好きなように商品を作り、好きなやり方で売る。好きを仕事にする、ということがそういうことだとしたら、そこにお客さんにニーズが入り込めないので「仕事」としては成り立たないように思います。

ただ、あなたの「好きなこと」「得意なこと」を欲している人に届けるために「やり方」を工夫できるなら、仕事にできると思っています。
ここでひとつ注意なのは「好きなこと」が好きすぎるあまり、柔軟に対応できないのであれば、それは「仕事」にしない方が良さそうです。

あなたの「心地いい」ことって?

それでも「せっかくの人生だし満足して生きたい」なら、なんとなくやっている仕事を好きなことにして充実した人生にしたいなら。

そして「そもそも好きなことがわからない」なら……あなたの「心地いいこと」を考えて、それを仕事にしてみてはいかがですか。
好きなことに比べ、心地いいことならば「広い意味」にすることができます。

私がやったことで、人の喜ぶ顔を見るのが心地いい。
自分なりにシミュレーションして準備したことがしっかり最後まで実施されるのが心地いい。
今まで時間がかかっていたことをキレイに整理して時短で見つけられるようになったら心地いい。

ね、心地よさを追求すると、いろんな仕事につながりませんか。

相談者さんの「心地よさ」がなんなのかわかりませんが、こうやって考えると今やっている「事務」の仕事もやりがいをもって再度頑張れそうな気がしてきませんか。

若い子たちには負けてしまうこともあるかもしれませんが、自分が「心地いい」を仕事に見つけて楽しそうに仕事をしていると、周りにも伝染していくのではないでしょうか。

人生は何が正解かはわかりません。でも「あの人はいいな、どうせ私は」と思っていじける前に、自分がどうやったら楽しく生きられるか、まずは明日のアクションから変えてみてくださいね。

このコラムが皆さんの参考になりますように。それでは、また来週も私はここであなたをお待ちしています。あなたに寄り添う、この人生相談コーナー、ぜひ次回も楽しみにしていてくださいね。

 

イラスト:フジコ

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著者

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おのすん

コラムニスト。「わたしはもう、がんばらない」をキャッチコピーに、主にインスタグラムで活動中。無理しすぎる人や、我慢しすぎる人に寄り添う発信をしている。自身もかつては、重度の頑張り屋さんであった。

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