連載記事

“結婚は強制ですか?”親からの「結婚しないの?」は“マリハラ”なんじゃないかと思う。<人生相談>

カルチャー

 “結婚は強制ですか?”親からの「結婚しないの?」は一“マリハラ”なんじゃないかと思う。<人生相談>

2022.07.17

ガンバラナイクリエイター、おのすんと申します。 小さい頃から頑張りすぎて、なんのために頑張っているのかわからなくなり、ついに過労で倒れた経験から自分を大切にする「ガンバラナイ生き方」を発信しています。今回の相談者さんは「両親のしつこい結婚話に正直うんざり…」というお悩みです。

広告

連載:おのすんのガンバラナイための人生相談

相談:「結婚しないの?」両親のしつこい結婚話に正直うんざり…

イラスト

(東京都 39歳 かなこ)

私は39歳で独身です。

結婚したいか?と聞かれれば、
特に相手もいないし、今の生活に満足しているのでどちらかというと結婚したくありません。

しかし、両親は顔を突き合わせれば
「結婚しないの?」「いい人いないの?」「孫を抱っこするのが夢なの…」「お見合いのいい話があるのよ」
の結婚関連の話ばかりで正直うんざりしています。

この夏も実家に帰ってゆっくりしたいのに、
その話を延々とされる予感がして帰りたくありません。

どうしたら両親が結婚話を避けてくれるようになるでしょうか…。

 

「あの〜結婚て強制ですか?」マリッジハラスメントの根っこを見つけました

回答

「結婚しないの?」みたいなのって、一種のハラスメントじゃないですかね。ハラスメントっていう言葉を親に当てはめるのはちょっとアレですけど、ぶっちゃけ嫌な気持ちになる人がいるならそういうことかなと思いますね。結婚は英語でマリッジなので、私は個人的に「マリハラ」って呼んでます。

親からのマリハラがすごい……って、けっこう私の友達からもよく聞くんです。というか、「ご相談者様って、私の友達のあの〇〇ちゃんですか?」というくらい、友人に聞いたのとそっくりな相談内容でびっくりしました。どうやら、マリハラしてくる親はこの世にたくさんいるっぽいですよ。というより、日本中マリハラする人々で溢れているといっても過言ではないかもしれません。

マリハラしてくるのは、ある時は会社の上司だったり、またある時は同僚だったり、知り合いだったり、親だったりします。男性の時もあれば女性の時もありますよね。私がいつも思うのは、これなんです。「え?あなた結婚のデメリット分かって言ってるの?」ってことなんですよ。結局どんなことにも、メリットがあればデメリットもあるじゃないですか。「メリットはわかるけどさ、あなたデメリットもわかって言ってんのかい」ってことなんですよね。全ては一得一失、最終的にはトレードオフなんですもん。

結婚すれば、事実としてですよ、自分の自由な時間は少なくなります。自分1人の決断で物事を決められなくなります。そして、もし子どもを産んで育てる選択をするなら、ますます自分の時間は無くなります。子供の養育費もかかります。このように考えて、金銭的にも精神的にも肉体的にも、負担が大きいと判断する人がいて当然なんですね。結婚するメリットはありますが、世の中、こういうデメリットのほうを訴える人がいなすぎるんですよ。

マリハラがここまで蔓延しているのは、恐らく「少子化」の影響が大きいと私は踏んでいます。国家的な立場からすると、日本人が少なくなるのは困りますよね。だから国として「みなさん結婚しましょう、子供産みましょう」みたいな発想になります。ある意味、婚活もただのトレンドじゃないんです。「国策」なんです。こんな調子だから、結婚のデメリットをいう人もいなくなり、結婚はして当然の流れになっていきます。なので結果として、マリハラが日本中にはびこっているってのが現状だと思うんですね。

だから、私はマリハラする親について、親自身の問題というよりも国家規模の問題だと考えているんですよ。世間的に「結婚への当たり前感」が強調されている中で、ご相談者様みたいに、みんながみんな自分の考え方を持てるわけじゃないと思います。むしろ、ご相談者様は特別だし、すごいんです。自分はどう思うかを重視できるってのは、みんなができることじゃないです。本当に素晴らしい才能だし、自分の思うように生きようとする人は、社会にとって必要な存在だと信じています。

その上で、私が言いたいことは、親御さんだけを責めるのはやめて欲しいです〜ということなんです。親御さんは、ご相談者さんのように考えられないだけなんですね。親御さんは、社会的な考え方に影響されてしまっているだけだと思うんです。こういうふうに、世間のみんなが共有している考え方を「パラダイム」と言います。ようは、親御さんは、このパラダイムをそのまま受け入れてしまっているだけなんです。親御さん自身の罪ではないんです。伝わりますでしょうか?

いつか、「結婚するのは当たり前」というパラダイムをシフトできたら、きっと世の中が変わるんだろうなあと思います。そうしたら、家庭内でのマリハラもなくなるでしょう。私事ですが、このパラダイムのシフトに私もいつか貢献できたらいいなあなんて思ったりもしています。これは、みんなの問題なんです。パワハラ、セクハラ、モラハラ、マタハラなどのように、どんどん「マリハラ」という言葉が広まっていき、一刻も早く世間のみんながハラスメントとして認識してくれたらいいですよね。

家庭内での問題から、日本全体の問題のお話になってしまいました。大きすぎる話に完結してしまい、読者の方を置いてけぼりにしていないか少し心配ですが、読んでくださる方の心を少しでも軽くできたら嬉しいです。マリハラを表立って問題視する動きは、まだ世間的にありません。その意味で、今回のご相談者様の投稿はとても意味のあるものだったと思います。

この度は、ご相談してくださり、ありがとうございました!ご自身の中で、何かしらモヤモヤしていたものを言葉にして取り出して、「うんうん、そうだよね」ってちょっとでも納得できるようにする手助けができていたらいいなあと思います。またのご相談お待ちしております!!
 

広告

著者

おのすん プロフィール画像

おのすん

コラムニスト。「わたしはもう、がんばらない」をキャッチコピーに、主にインスタグラムで活動中。無理しすぎる人や、我慢しすぎる人に寄り添う発信をしている。自身もかつては、重度の頑張り屋さんであった。

気になるタグをチェック!

saitaとは

連載記事

ガンバラナイクリエイターおのすんのガンバラナイための人生相談

広告