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「ぼくはバカなんでしょ」と漏らす息子。発達に問題がある?

家族・人間関係

2025.07.01

ガンバラナイクリエイター、おのすんと申します。 小さい頃から頑張りすぎて、なんのために頑張っているのかわからなくなり、ついに過労で倒れた経験から自分を大切にする「ガンバラナイ生き方」を発信しています。今回の相談者さんは「『ぼくはバカなんでしょ』と漏らす息子。発達に問題がある?」というお悩みです。

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連載:おのすんのガンバラナイための人生相談

相談:「ぼくはバカなんでしょ」と漏らす息子。発達に問題がある?

息子の対応に苦慮する母親のイラスト

(岡山県 45歳 ポン子)

最近、小5の息子のことで悩んでいます。
授業中の集中力が続かず、ノートも白紙が多かったり、先生の指示が理解できていなかったりするようです。
成績も下がり気味で、家での宿題も時間がかかって進みません。
友達との会話にもズレがあり、空気が読めずにトラブルになることも増えてきました。
本人は「ぼくはバカなんでしょ」と口にすることがあり、親として胸が苦しくなります。
発達の問題かと気になりますが、周囲に相談すると「男の子はそんなもん」と軽く言われてしまい、真剣に話せません。
支援が必要なのか、どう動けばいいのか、誰に相談すればいいのかも分からず、ずっとモヤモヤしています。

体の不調と一緒。少しでも気になったら専門家を頼ろう

回答

「ぼくはバカなんでしょ」なんて、子どもに言われたらと想像してみました。なんだか私まで胸がキューっとなりました。なんとかしてあげたいです。なんとかしましょう!

まず私が1番最初に気になったのが、なぜまだ病院に行ってないのかという点です。体の不調ならすぐ病院に行くだろうに、なぜまだ病院にかかっていないんですか?

日本では、体の不調ならすぐ病院に行くのに、心の不調やそれに準ずるものはとりあえず様子を見るという人が多いことが、私は不思議でしょうがありません。

だから、簡潔にいうと、「病院に行きましょう」っていうのが相談に対する私の答えです。

病院に行って診断名がついてしまうのが怖いのか、そんな自分を受け入れられないのか……。とにかく心や脳の不調に対して、少なからず偏見がある日本人の方はとても多いです。

悩む母親出典:stock.adobe.com

私は、アメリカに留学していたことがあるんですが、当時のルームメイトの父親がある日亡くなってしまったんですよね。それ以来ルームメイトはグループセラピーという精神的な治療に通っていました。

この話を聞いて、「え? そんなことで?」なんて思っていませんか。父親が亡くなる程度とは決して言いませんが、同じ理由で日本で精神科に行く人はほとんどいないでしょう。

私が言いたかったのは、本来精神科はもっと気軽に行ってよいところだということです。どうか安心してください。

「息子が骨折しました」と「息子が発達障がいでした」というのは、本来なら同率で語られてよいはずですよね。それを、自分の中の心の抵抗力が阻んでいる、ただそれだけなんです。

息子さんを連れていくのも、恐らくですが精神科かと思います。

私の友人に、発達障がいの子がいるのですが、もっと早く病院にかかっておけばよかったと言っていました。その子は小学校からの幼なじみなのですが、昔を振り返ると「確かに発達障がいかな」というような場面が何回かありました。

その子は、親にもっと幼い頃に病院に連れて行ってもらえなかったことをとても後悔しているようでした。大人になってから自分の発達障がいを知ったんですよ。

私は専門家ではありませんが、早く医療機関などに行けばその分問題が解決する可能性が高くなるはずです。もちろん診察の結果発達障がいではない可能性もあります。

でも、今の状態を打開するには、可能性を潰しておく必要があると思います。だから、息子さんのためにも専門家を頼りましょう。

医療機関の受診出典:stock.adobe.com

「ぼくはバカ」なんかじゃありません。生まれ持ってのその「特性」を活かす道だっていくらでもあります。

私はピアニストの辻井伸行さんがとても好きなのですが、あの方は目が見えません。でも、彼のピアノは他の誰とも違う音がします。音がひとつひとつたっていて、おしゃべりしてるようなんですよね。

だから、息子さんの特性も活かす方向で一緒に考えていきましょう。そのためにも、まずはプロを頼る、頼る、頼る。これです。

話があっちこっち行きましたが、私が伝えたいことは伝わりましたでしょうか。ご相談ありがとうございました。まずは精神科への自分の心の壁を壊しましょう。ご健闘を祈っています。

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著者

おのすん プロフィール画像

おのすん

コラムニスト。「わたしはもう、がんばらない」をキャッチコピーに、主にインスタグラムで活動中。無理しすぎる人や、我慢しすぎる人に寄り添う発信をしている。自身もかつては、重度の頑張り屋さんであった。

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