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「専業主婦」は将来いくら年金がもらえる?老後資金を増やす方法も。

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 「専業主婦」は将来いくら年金がもらえる?老後資金を増やす方法も。

2024.04.28

専業主婦の場合、夫の扶養家族として「第3号被保険者」で国民年金に加入しています。今回は、専業主婦の方が、将来もらえる年金の金額をご紹介します。また、豊かな老後を過ごすために、老後の生活資金を増やすためのポイントをチェックしていきましょう。

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特集:40歳から知っておきたい「お金の知識」

専業主婦は年金をもらえる?

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専業主婦で年間の収入が130万円以下の方は、夫の扶養として国民年金に加入しています。年金制度の区分では「第3号被保険者」に分類されます。第3号被保険者の方は、自分で年金保険料を支払っていませんが、将来は「老齢年金」を受け取ることができます

老齢年金いくらもらえる?

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もらえる老齢年金の金額は、年金制度に加入していた期間によって決まります。

例えば第3号被保険者として、20歳から60歳までの40年間、年金制度に加入していた場合、老齢基礎年金額は満額で月額6万6250円となります。1年間では79万5000円を受け取れることになります。

また、保険料納付月数が25歳から60歳の35年間の場合、受け取れる老齢年金の額は、決まった計算式に当てはめて、月額5万7960円、年額69万5620円となります。
(計算式:79万5000円×(420カ月※35年÷480カ月※40年)=年額69万5620円)

厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の老齢年金受給権者の平均年金月額は、令和4年度末現在で約5万6000円となっています。

専業主婦が老後資金を増やす方法

将来は働いている夫の年金ももらえるので、世帯としては、もらえる年金額は月約5万6000円よりも高くなります。また、結婚して専業主婦となる前に、会社などで働いていたことがある人は、さらに厚生年金が上乗せされます。

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しかし先ほどご紹介した、平均年金額月約5万6000円という金額を見て、専業主婦の方は、老後資金は十分足りると思ったでしょうか。それとも少ないと思ったでしょうか。

できるだけ余裕のある老後の生活を送るために、今からできる老後資金の準備方法を確認していきましょう。

年金の繰り下げ受給を検討する

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年金は65歳から受け取ることができます。しかし、65歳で受け取らずに66歳以後75歳までの間で繰り下げると、受給する年金額を増やすことができます。これを「年金の繰り下げ受給」と言います。

ただし、長生きしなければ、トータルで見てもらえる年金額が少なくなってしまうこともあるので、慎重に検討する必要があります。

iDeCoで年金を始める

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iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、自分が拠出した掛金を自分で運用し、資産を形成する年金制度です。

専業主婦の方の場合、毎月最大2万3000円を掛け金として拠出し、資産運用を行うことができます。iDeCoは、運用でもうかった利益にかかる税金がゼロになるなど、税制上のメリットが多い制度です。

国民年金の受給額が少なくて心配という方は、自分で個人年金を始めてみてはいかがでしょうか。

働く

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専業主婦の方が資産を増やす最も有効な方法は、働くことです。

子育てがひと段落したタイミングなどで、ぜひ再就職することを検討してみましょう。働いて厚生年金制度に加入すれば、将来もらえる年金額も大幅にアップします。働くことは、現在の家計の収入アップだけではなく、老後の収入アップ(年金アップ)にもつながるのです。

まとめ

年金制度について理解していない専業主婦の方は、将来自分がもらえる年金額を把握していないかもしれません。今回ご紹介した内容を参考にして、自分がもらえる年金額をチェックしておきましょう。そして、少しでも老後資金を増やすことができないか、ぜひ家計のマネープランの見直しをしてみましょう。

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著者

下中英恵

下中英恵

東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています。

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