知っておきたい言葉「消費支出」と「黒字率」
40代世帯の平均支出をご説明する前に、みなさんに知ってほいし用語が2つあります。それは「消費支出」と「黒字率」です。
この2つの言葉は、今回の記事でご紹介する、国が公表している「家計調査」などでつかわれている言葉です。言葉の意味を知っておくと、ご家庭の家計管理に役立ったり、統計の理解が深まります。
「消費支出」ってなに?
「消費支出」とは、毎日生活を送るために必要な商品やサービスを購入するために使うお金のことを指します。
例えば、食費や家賃などの住居費などが消費支出です。一方、所得税や住民税などの税金や、社会保険料など、生活に必要なものではないけれど、払わなければいけない支出のことを「非消費支出」と呼びます。
「黒字率」ってなに?
家計で自由に使えるお金(可処分所得)から、生活に必要なものを購入するお金(消費支出)を引いた際に、残ったお金がある場合、それを黒字額と言います。
一般的には、黒字は貯金のことを指します。一方、お金が足りなくなってしまうことを赤字と言います。
そして、家計が毎月どのくらい黒字なのかをチェックする指標が「黒字率」です。さらに「黒字率」は、毎月家計で自由に使えるお金(可処分所得)のうち、黒字額の比率を表したもので、一般的に、貯金の割合が多ければ黒字率は高く、貯金の割合が少なければ黒字率は低くなります。赤字の場合、黒字率はマイナスとなります。
40代世帯の家計をチェック!
40代世帯の消費支出や黒字率をチェックしていきましょう。2023年家計調査報告書(家計収支編)の「世帯主の年齢階級別消費支出額(二人以上の世帯)」によると、世帯主の年齢が40~49歳の家庭の1か月の消費支出は、323,660円でした。
全世帯の平均消費支出は、293,997円なので、40代の消費支出は、全体平均よりも高いことが分かります。これは、40代世帯は20代などの若い世代や、70代などの高齢者世帯に比べて、子育てをしている世帯が多く、消費支出が多い傾向にあるからと考えられます。
次に同じ40代の黒字率をチェックしていきましょう。世帯主の年齢が40~49歳の1か月の黒字額は、205,918円。そして、黒字率は38.7%です。
つまり、毎月の収入のうち自由に使えるお金(可処分所得)の約39%を貯金に回すことができているということになります。
全世帯の平均黒字率は35.6%です。特に高齢者世帯の黒字率が低い傾向が見られます。高齢者世帯は収入が減るため、貯金できる金額が少ないと考えられます。
黒字率を上げるポイント
黒字率を上げる、つまり貯金を増やすためには、収入を増やすか、毎月の支出を減らすかの方法をとる必要があります。
40代世帯で子育てをしている場合、教育費や食費、光熱費などで、毎月の出費(消費支出)が高くなる傾向があります。すでに節約を頑張っているご家庭も多いですよね。そのため、毎月の支出を大幅に減らすのは、なかなか大変なことです。
そこで貯金を増やすためには、「収入を増やす」ことができないか、前向きに検討してみましょう。今まで専業主婦だった妻がパートで働く、妻がパートから正社員に切り替える、副業を検討するなど、収入を増やす方が、黒字率を上げやすいケースが多いです。
無理な節約だけではなく、ぜひ収入自体お増やす方法を探してみましょう。
まとめ
日本のご家庭の平均支出や黒字率と自分の家計を比較すると、客観的に自分たちのお金の使い方を分析できます。貯金があまりできていないという黒字率が低い家庭の場合、今回ご紹介した通り、少しでも収入を増やすことができないか、ご家族で検討してみてはいかがでしょうか。