大学生活にはいくらかかる?
子どもの教育費のピークは、一般的に大学生の時と言われています。大学の授業料は、国立・私立の違いや学部によって変わってきます。下表は、令和5年度の大学の授業料の平均金額です。
大学進学にかかる費用は、学費だけではありません。受験関連費用が高額になったり、自宅外通学なら生活費の仕送りが必要になったりと、個々のケースで大きく変わります。
2025年度からの大学等無償化。注意点は?
2020年度から始まった就学支援新制度は、大学授業料等の減免と給付型奨学金の2つの支援があり、一定の要件を満たす大学や短期大学、高等専門学校、専門学校が対象となります。今回の制度の大きな変更点は、大学授業等の減免(無償化)について所得制度がなくなるということですが、その他にも知っておくべき大切なポイントが3つあります。
その1. 3人以上の子を「扶養」していること
授業料等の減免を受けるには、3人以上の子を「扶養」している必要があります(※)。下図は「3人の子を「扶養」している」状態のイメージ図です。
子どもが3人いても、第一子が就職などで扶養を外れると、扶養している子は2人となるので、その後は支援の対象外となります。3人兄弟でも子どもの年齢差などによって、受けられる支援額は家庭ごとに変わってくるということです。
※所得によっては子どもの人数に関係なく減免の対象になる場合があります。
その2. 「減免額を上回った分」の授業料は納付が必要
就学支援新制度は、ニュースなどで「無償化」という言葉が使われているものの、完全に無料というわけではありません。授業料等の減免は直接現金が支給されるのではなく、大学への納付額から減免額が差し引かれる形で給付されます。減免額は学校の種類によって上限額があります。
先述の大学授業料の平均額からわかるとおり、大学の授業料等が減免上限額を上回ることがあります。その場合は、不足分の納付が必要です。
また、減免の対象とならない費用(施設設備費、実習費等)もあるので、不足分とあわせて準備しておく必要があります。
その3. 進学後の「出席率や成績」で支援が打ち切られることも
就学支援新制度では進学後の出席率や取得単位、成績に一定の要件(学業要件)を設けています。2025年度からは、この要件が少し厳しくなります。出席率や成績が悪ければ、支給が停止したり、打ち切りになったりすることを理解しておきましょう。
子どもが2人以下なら何の支援も受けられないの?
2025年からは、扶養する子どもが3人以上なら所得に関係なく大学等無償化の対象となります。では、子どもが2人以下の家庭で受けられる支援はないのでしょうか。2025年以降も所得によっては子どもの人数に関係なく授業料の減免や給付型奨学金の給付など従来の就学支援新制度はそのまま利用できます。
また、民間企業などが行っている奨学金制度では、所得制限がなかったり制限基準が緩かったりするものもあります。
2025年4月からの制度の変更で教育費の負担が減る家庭が増えました。しかし、「無償化」「所得制限なし」とはいうものの、全ての大学生が制度を利用できないことや不足分は自己負担であることを理解し、それに備えて教育費の準備をしておきましょう。