パートの社会保険の加入条件「年収106万円の壁」
現時点では、従業員101人以上の企業で週20時間以上働き、賃金見込額が月8.8万円(年収換算約106万円)以上になる人が、社会保険の加入対象です。(雇用契約2カ月以内の場合と学生を除く)
これを一般的に「年収106万円の壁」といいますが、2024年10月からは、従業員51人以上の企業で働くパートの人もこの条件が適用されることになります。自分が「年収106万円の壁」に関係するかどうかわからない場合は、勤務先に確認してみましょう。
パートで社会保険加入。保険料はいくらになる?
社会保険の保険料は大きく分けて以下3つのタイミングで決まります。
- 加入時
- 毎年4~6月の給与による定時決定時
- 昇給降給があった時
勤務先が加入している健保組合、または協会けんぽに加入なら都道府県により保険料率は多少変わってきますが、一般的に給与の15%程度となり負担感は小さくありません。
社会保険の負担例
計算条件:協会けんぽ東京支部加入の企業に勤務(40歳から64歳)
社会保険に加入するメリット
保険料の負担は大きいですが、社会保険に加入すると、
- 将来受け取る年金が増える
- 産休時に出産手当金が受け取れる
- ケガや病気で欠勤した時に傷病手当金が受け取れる
などのメリットがあります。
例えば年金についていうと、厚生年金に加入することで65歳から老齢基礎年金(国民年金)に上乗せして加入期間や加入中の報酬額等に応じた老齢厚生年金を受け取ることができます。
将来受け取る年金がどれくらい増えるか知りたいときは、日本年金機構の「ねんきんネット」や厚生労働省の「公的年金シミュレーター」で試算してみましょう。
「年収106万円の壁」は拡大していく?
2016年から始まった「年収106万円の壁」は、当初の予定では大企業から順に適用され、2024年10月の従業員51人規模の企業が対象となる事で制度の変更は終わる予定でしたが、現在この「企業規模要件」を撤廃してすべての企業に適用することも検討されているようです。
パート・アルバイトで働く場合、いくつもの「年収の壁」があり、どのくらい働くのがいいのか迷う場合もありますが、社会保険や税金の仕組みを理解してご自分のライフプランを考慮しながら、どのような働き方をするのがよいか考えてみてください。