教えてくれたのは……丸山晴美(まるやま はるみ)さん
ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー、ゆとりうむプロジェクト理事。宅地建物取扱主任士(登録)、認定心理士、家庭の省エネエキスパート検定合格、調理師などの資格を持ち、食費や通信費など身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演等で行っている。
節電につながる冷蔵庫の見直し【5つのポイント】
丸山さん 「24時間365日稼働している冷蔵庫は、必然的に電気使用量も多くなります。家電全体の電気使用量のなかで冷蔵庫はエアコンに次いで2番目に大きく、冷蔵庫の節電は電気代の節約に効果的です。冷蔵庫の節電にはどういったことをすればよいのか、具体的なポイントをチェックしていきましょう」
見直しポイント1. ものを詰め込みすぎない
冷蔵庫に食材を詰め込んだ場合と、半分にした場合を比較すると、年間約1,360円の差が出ます。
見直しポイント2. ムダな開閉はしない
冷蔵室は12分ごとに25回、冷凍室は40分ごとに8回で、開放時間はいずれも10秒(旧JIS開閉試験)の開閉を行った場合と、その2倍の回数を行った場合を比較すると、年間約320円の差が出ます。
見直しポイント3. 開けている時間を短く
冷蔵庫を開けている時間が20秒間の場合と、10秒間の場合を比較すると、年間約190円の差が出ます。
見直しポイント4. 設定温度を適切に
設定温度を「強」から「中」にした場合(周囲温度22℃)を比較すると、年間約1,910円の差が出ます。
見直しポイント5. 壁から適切な間隔で設置
冷蔵庫の上と両側が壁に接している場合と、片側だけが壁に接している場合を比較すると、年間約1,400円の差が出ます。
参考文献:経済産業省 資源エネルギー庁 「家庭でできる省エネ」より
物価高を乗り切るための節電術【5つのポイント】
丸山さん 「物価高騰の今、これまで市販品に頼っていたものを自分で作ったり、調理・保存方法を見直すことで、家計の支出を抑えることができます。実際に何をすればよいのかをチェックしていきましょう」
節約術1.外出時の食事は持参
出かける際は飲み物を入れたマイボトル、おにぎりやお弁当を持っていきましょう。
節約術2.加工食品は使わず自分で作る
冷凍食品などの加工食品は原材料の値上がりに限らず、製造時に使用するエネルギーや包装資材も高騰しています。お弁当用のおかずはなるべく市販の冷凍食品を使わず、まとめて作って「冷凍」しましょう。
節約術3.定期的に冷蔵庫の中身をチェック
買い物の前だけでなく、1週間に1回は冷凍室も含めた冷蔵庫の中身をチェックしましょう。冷蔵室にあるすぐに使い切れないものは冷凍し、上手に活用して食品ロスを減らしましょう。
節約術4.調理に電子レンジを活用・ごはんは冷凍保存
少量の根菜や葉物野菜をゆでるときはガスコンロを使わずに電子レンジで加熱することで、時短かつガス代の節約になります。
また、ポットや炊飯器などで保温機能を使うと電気代がかさみがちです。日中は在宅していないのであればその都度沸かすか、魔法瓶のように電気を使わずに保温ができるものを使いましょう。残ったご飯は小分けにして冷凍し、その都度レンジで温め直すのがよいでしょう。ごはんは「冷凍貯金」しておくと節電・時短にもつながるのでぜひ活用してほしいですね。
<ごはんの冷凍保存方法>
【保存テクニック1】ラップ&保存袋を使う
炊きたてのごはんを熱いうちに「サランラップ®」の上に薄めに均一に広げ、ふんわりと包みます。冷めたら「ジップロック®フリーザーバッグ」に入れてなるべく空気を抜き、ジッパーをしっかり閉めて冷凍保存。なるべく薄く包むことで急速に冷凍させ、でんぷんの老化温度帯を素早く通過させるのがコツ。
【保存テクニック2】ごはん専用の冷凍保存容器を使う
炊きたてのごはんを「ジップロック®コンテナー ごはん保存容器」の内側の線まで入れます。乾燥を防ぐためすぐにフタをのせ、あら熱がとれたらフタを閉めて冷凍保存。目的にあわせてサイズを使い分けましょう。
節約術5.冷房の設定温度を上げ、効率的に部屋を冷やす
節電要請時の設定温度の目安は28℃ですが、28℃設定が難しい場合は今の設定温度から1℃上げることで約10%の節電効果が期待できます。
また、扇風機を併用することで床に溜まった冷気をかくはんし、扇風機の風が身体に当たることで涼しさを感じることができます。帰宅時は部屋に熱がこもった状態だと一刻も早くエアコンのスイッチをつけたくなりますが、一度窓を開けて換気扇やサーキュレーターをつけ、部屋の熱を逃がしてから冷房運転をするようにすると、効率的に部屋を冷やすことができます。
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今回教えていただいた節電対策は、少し意識を変えるだけで対応できるものばかりでした。ひとつひとつの対策による節約効果は大きいものではありませんが、年間を通すと大きく響いてくるもの。
ぜひ今日からこまめな節電・節約対策に取り組んでみてくださいね。