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「どのくらい貯めたらいいのか漠然と不安…」すぐにわかる“預貯金額の目安2つ”とは?

働く・学ぶ

2025.07.17

「預貯金はどれくらいあればいいのだろう……。」と不安に思う方は多いのではないでしょうか。漠然と「もっと貯めなければ」と考え続けていると、ストレスがたまってしまいます。大切なのは、自分にとって「ちょうどいい目安」を知ること。実は預貯金額には「これだけは貯めておきたい」という基準があるので、ぜひ参考にしてみてください。

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特集:40歳から知っておきたい「お金の知識」

回答してくれるのは、ウェルスナビ株式会社 小松原さん

働く世代が豊かさを実感できる社会をつくりたいという理念に共感し、ウェルスナビにセミナー講師として入社。これまでに、1,000回以上の資産運用セミナーに登壇し、参加者からの多くの質問にも答えている。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。

預貯金はいくらあっても、足りないと感じるもの

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どんなに預貯金があっても「まだ足りない」と感じてしまう……。そのように感じている方もいるのではないでしょうか。日本の家計には、預貯金を重視する傾向が表れています。

家計の金融資産のデータを見てみると、日本で最も多いのは「現金・預金」で、全体の約半分を占めています。一方で、米国では「株式等」「投資信託」が半分以上で、「現金・預金」は11.7%にとどまっています(※)。
※参考:日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」(2024年8月)より https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf

たしかに、預貯金は不安への備えの一つです。しかしどんなに貯めても、不安に終わりはありません。だからこそ、「適度な預貯金額」を把握することが大切です。

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【貯めておきたいお金】その1:生活費の3~6か月分

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最初に備えておきたいのが「生活費の3~6か月分」です。急に大きな出費が必要になった時、すぐに使えるように手元に確保しておくお金です。

例えば、病気やケガ、失業などの“万が一”があった場合、当面の生活を守るお金が必要です。保険で万が一に備えている方もいると思いますが、保険金を請求してから受け取るまでには、一定程度の時間がかかります。このほか、家電が壊れた、冠婚葬祭が短期間に重なるなど、大きな出費が続く場合にも備えておく必要があります。

生活費は、住宅ローンの返済や家賃などの住宅費に加え、食費、光熱費、通信費など、生活する上で欠かせない支出を指します。仮に、生活費が月30万円かかる場合、3か月分で90万円、6か月分で180万円という計算です。

何か月分にするかは、ご自身がどのくらいあれば安心できるかに加え、雇用形態も考慮する必要があります。個人事業主やフリーランスは雇用保険や傷病手当金など、収入が途絶えた時のサポートが少ないので、より多めに準備しておくと安心です。

【貯めておきたいお金】その2:近い将来に使うお金

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次に備えておきたいのが「近い将来に使うお金」です。このお金は急な出来事ではなく、あらかじめ予定されているライフイベントに向けたものです。
近い将来はだいたい「3年以内」を指します。例えば、子どもの入学費用、引っ越し費用などがあてはまります。これらは確実に支出が必要になるものとして、貯金で準備しておくことが大切です。

ここで重要なのは、さらに遠い将来のお金とは分けて考えることです。老後資金などは別途計画を立てるのが望ましいでしょう。

「貯めておきたい」2つのお金がそろったら

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「生活費の3~6か月分」と「近い将来に使うお金」を足して、今の預貯金額と比べましょう。
預貯金額が下回っている場合、まずは貯めることが優先です。具体的な目標額を設定し、「毎月の給与の10%は貯める」などと計画してみてはいかがでしょうか。まとまった金額を貯めるのは大変と感じると思いますが、コツコツ続けていくことで確実に目標に近づけます。

預貯金額が上回っている場合、「もっと貯めたい」と感じるかもしれませんが、今の時点で「もしもの備え」と「近い将来への備え」はあると自信をもってください。そして、この先の不安を解消できるのが、預貯金だけとは限りません。老後資金や将来のための備えには、長い目で資産運用をすることも一つの選択肢です。

“現在地”を確認しよう!

預貯金はどれだけ貯めても、不安が完全に消えるわけではありません。将来必要なお金を考えるためにも、まずは「生活費の3~6か月分」「近い将来に使うお金」の二つの目安から、現在地を確認してみてはいかがでしょうか。
 

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