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「NISA」実は全員におすすめできない。NISAを始める前に確認したい“3つのステップ”

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2024.04.14

最近ニュースなどでよく目にするNISA。気になってはいるけど、今の貯金額でNISAを始めていいのかわからない……。そんな方のお悩みに、個人資産運用サービス「ウェルスナビ」の小松原さんが回答します。

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特集:40歳から知っておきたい「お金の知識」

教えてくれるのは……ウェルスナビ株式会社 小松原さん

働く世代が豊かさを実感できる社会をつくりたいという理念に共感し、ウェルスナビにセミナー講師として入社。これまでに、500回以上の資産運用セミナーに登壇し、参加者からの多くの質問にも答えている。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。

お悩み相談「貯金がない私でも、NISAをはじめていいの?」

悩む女性出典:stock.adobe.com

(40代 女性 A子さんの相談)

「2024年から新しいNISAが始まり、いろんなところで投資の話を聞くようになりました。興味はあるのですが、貯金があまりできていないので、投資にまわすお金がなさそうです。どのくらいあれば、NISAをはじめてもいいのでしょうか?」

投資のプロ、小松原さんの回答を見ていきましょう!

注意してほしいこと

ポイント出典:stock.adobe.com

4月から新生活になり、子どもの進学などをきっかけに、家計を見直す方も多いのではないでしょうか。将来への備えとして、NISAでじっくりとお金を育てるのも、選択肢の一つです。その際、ご注意いただきたいのは「投資を始めるなら『生活予備資金』ができてから」という点です。

すぐに使う可能性のあるお金を投資にまわすのはNG

資産運用は「なるべく長く続けること」が成功の秘訣。長期的な目線、例えば「10年以上先」に向けてお金を育てていきます。老後に向けた備えや、10年以上先に使う予定の教育費などが当てはまります。

投資出典:stock.adobe.com

投資は資産が減ったり増えたりを繰り返しながら、長期的に育てていくものです。そのため、「手元の生活費や、近い将来使うお金は投資に回さない」ことが基本的な考え方になります。

「手元の生活費や、近い将来使うお金」をここではまとめて「生活予備資金」と呼びましょう。この生活予備資金を計算するための3つの数字をステップごとにみていきます。

ステップ1.「最低限の生活に必要なお金」はいくらか計算する

人生にはいろんな「まさか」があります。例えば、冷蔵庫が壊れて、急遽買い替えなければいけなくなった。遠方にいる親戚の葬儀に出るため、飛行機代や宿泊代が必要になった。急病で入院することになった……などなど。

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このような「まさか」に備えたお金として、「最低限の生活に必要なお金」をまずは計算しましょう。「(最低限の生活に必要なお金)×3~6ヶ月」分が手元にあると、いざという時に安心です。

家族全員が生活するうえで必要な家賃、光熱費、食費、通信費などを計算します。お住まいの場所や家族の人数によって異なると思いますが、例えば月に30万円だとしたら、90~180万を備えておくのが目安です(※1)。

ステップ2.「近い将来使う予定のあるお金」を合算する

ここでいう「近い将来」とは、「2年以内」と考えます。まとまった支出が想定されるライフイベントがあれば、洗い出していきましょう。

教育費出典:stock.adobe.com

例えば、教育費。向こう2年で必要なのはどれくらいか計算します。子どもの年齢や教育環境によって異なると思いますが、文部科学省の調査によると、小学校の学習費総額は、公立は約35万円、私立では約166万円。中学校の学習費総額は公立で約53万円、私立では約143万円というデータがあります(※2)。

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2年以内に住宅の購入を検討している場合は、ある程度の現金が購入資金として必要となる場合があります。住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2022年度)」によると、頭金は約270万~約990万円という結果でした(※3)。

家族旅行を予定していれば、その資金も計算に入れておく必要があります。

ステップ3.現在の貯金額と比べる

最後に、ステップ1とステップ2を合計した「生活予備資金」を現在の貯金額と比べます。

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現在の貯金額が生活予備資金を上回っていれば、「余裕資金がある」ということです。NISAで本格的な資産形成を始める準備ができています。

現在の貯金額が、生活予備資金を下回っていたら、まだNISAは始める段階ではないということです。固定費を減らすなどして、家計を改善し、少しずつ貯蓄を増やしていきましょう。

まとめ

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NISAは長期で資産形成をするのに最適な制度です。「10年後の教育資金に向けて」などと、ゴールを先において始めるのがよいでしょう。生活費を切り崩してまで、慌ててNISAを始めることはおすすめしません。

生活予備資金がまだ足りていなかったとしても、焦る必要はありません。新しいNISAは「無期限」なので、すぐに始めなくても大丈夫です。準備ができてから考えましょう。

「いざという時のお金」と「近い将来に使うお金」を洗い出すだけでも、家計にとっては大きな前進になります。ぜひ取り組んでみてください。

【参考】
※1)総務省の家計調査(2023年12月分)https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html
※2)文部科学省 令和3年度子供の学習費調査https://www.mext.go.jp/content/20221220-mxt_chousa01-100012573_3a.pdf
※3)住宅金融支援機構「2022年度 フラット35利用者調査」https://www.jhf.go.jp/files/400366726.pdf

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