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「専業主婦」が突然病気になったら家計はどうなる?“必要な備え”についてお金のプロが解説

働く・学ぶ

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2025.05.10

専業主婦は、直接収入を得ていなくても、家事や育児などで家庭を支えています。そんな専業主婦が突然、病気やケガで長期療養をすることになった場合、家計にはどんな影響があるのでしょうか。また、どんな備えをしておけば安心なのでしょうか。

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特集:40歳から知っておきたい「お金の知識」

専業主婦が長期療養となったときにかかるお金

入院中の女性出典:www.ac-illust.com

1.医療費が増える

まず、気になるのが「医療費」です。調査データによると、40代女性の入院1回あたりの医療費平均額は18.7万円と払えない金額ではありません。しかし、中には100万円以上かかる場合もあるようです。

40歳代女性 入院時の自己負担費用

2.食費が増える

体調が悪くなると、家族の食事を作ることが難しくなります。そのため、スーパーやコンビニのお惣菜や外食が多くなることが考えられます。自炊より割高なので支出が増える可能性があります。

3.保育料が増える

小さな子どもがいる場合、預け先を考える必要があります。

  • 0歳~2歳児:保育園に預けると所得に応じた利用料が発生
  • 3歳~5歳児:幼稚園・保育園の利用料は基本無料だが、延長保育等を利用すると費用が発生
  • 小学生:学童等を利用する場合、利用料が発生

どんな備えをしておくと安心? 3つの対策

家事をする夫出典:www.photo-ac.com

1.公的な制度を知っておく

日本では、公的医療保険など社会保障制度が整備されています。使える制度を知っておくだけでも安心です。

・高額療養費制度
一カ月の医療費が、収入に応じた自己負担額を超えた場合に、その超えた金額が戻ってくる
→申請先:けんぽ協会・健康保険組合・市町村の保険年金課

・医療費控除
年間の医療費が一定額を超えた場合に確定申告することで所得税や住民税が軽減される
→申請先:税務署

・障害年金
病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合、初診日に加入していた年金制度や障害程度により障害基礎年金または障害厚生年金が支給されることがある
→申請先:年金事務所

2.民間の保険で備える

公的制度だけでは不安な場合は、民間の生命保険で備える方法もあります。例えば、医療保険は入院給付金や手術給付金などが支払われる基本的な保険ですが、がんになった時の保障が充実しているがん保険に加入したり、女性特有の病気への保障を手厚くする女性疾病入院特約や、退院後引き続きの治療のため通院した場合に給付金が受け取れる通院特約など、必要と思う保障を充実させることも可能です。
また、民間保険よりも保障内容がシンプルで掛金が割安な共済保険に加入するという方法もあります。

3.家族で家事をシェアする習慣をつける

家事や育児を「ママだけの仕事」としないで、日ごろから夫や子どもと協力しておくと安心です。例えば、一緒に食事を作ったり、ゴミ出し当番を家族の持ち回りにしておくと、万が一の時に家族も慌てる必要が無く、自分も療養に専念できます。

家事・育児をする女性出典:www.photo-ac.com

「もしも自分が病気になったら……」と不安になることはあっても、健康なうちは備えを後回しにしがちです。病気になってから慌てないように少しずつでも準備しておくことが、家族を守る事にもつながります。できるところから始めてみましょう。

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著者

山根純子

山根純子

ファイナンシャルプランナー、マイライフエフピー®認定ライター 結婚・出産・専業主婦を経て、社労士事務所で社会保険・労働保険の実務を20年以上経験。お金は「貯め時」もあれば、「使い時」もあります。 妻となっても母となっても、女性が自分のやりたいことがやれるようにお金の面のサポートさせていただきます。

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