教えてくれたのは……三富俊和さん
ものづくりのチカラで『企業と地球を元気にする』エコテクソリューション株式会社の代表取締役社長。2006年に開発した「次世代節水装置『JET』」はその画期的なアイデアと高い節水効果が認められ、日本含む世界6か国で特許を取得。顧客に応じた細やかな対応力とイニシャルコストのかからないビジネスモデルの導入により、高い顧客満足の獲得につながっている。
日常生活の中で今すぐ始められる節水習慣「場所別のポイント」
三富さんによると、家庭内で特に水を多く使用するのは、主に「お風呂(入浴・シャワー)」と「トイレ」で、この2つが家庭全体の使用量の約半分以上を占めるそうです。そして、「キッチン」と「洗濯」がそれに続くとのこと。三富さんは、このような場所でのちょっとした工夫が、大きな節水につながると言います。
そこで今回は、今日からでも取り組みやすい節水ポイントを場所別に教えていただきました。いずれも簡単で効果的な方法なので、ぜひ日常生活の中に取り入れてみてくださいね。
お風呂
三富さん「シャワーを使うときは出しっぱなしにせず、こまめに止めることを心がけましょう。節水を始める場所に迷った場合は、まずはお風呂のシャワーから見直してみるのが効果的です。浴槽に溜めたお湯は、入浴後すぐに捨てるのではなく、洗濯やベランダの掃除、庭への水やりなどに再利用することをおすすめします。」
トイレ
三富さん「大小レバーを使い分けると、節水型トイレでなくても流す水量を減らすことが可能です。例えば、水量を適切に調整すると、1回あたり約2リットルの節水効果が期待できます。」
キッチン
三富さん「食器洗いの際は、洗う前に油汚れを拭き取っておくと、使う洗剤や水量を減らすことができます。また、洗い桶に水を溜めて洗うことで、流しっぱなしにするよりも節水になります。」
洗濯
三富さん「お風呂の残り湯を再利用する、まとめ洗いするなどの小さな積み重ねが、大きな節水効果を生み出します。洗濯は1回あたり約100リットルの水を使いますが、そのうちの約40〜60リットルを残り湯にすると、1か月で約1,800リットルもの節水が可能だと言われています。また、すすぎが1回で済む洗剤に切り替えるのも賢い選択です。」
実は逆効果かも!節水習慣でやってしまいがちな「3つのNG行動」
「節水のつもりだと思ってやっていたことが、実は逆効果になっていることもある」と、三富さん。やってしまいがちなNG行動として、以下の3つが挙げられるそうです。
- 「食器を食洗機ではなく手洗いする」
- 「風呂の水を長時間溜めっぱなしにする」
- 「洗濯物を少量ずつ何度も洗う」
三富さん「最新の食洗機は、手洗いよりも少ない水で洗える場合が多いです。予算が許すなら、節水型の食洗機を使うことで大幅に水量を節約できます。手洗いの場合は、洗う前に汚れを拭き取ったり、つけ置きしたりすることで、水の使用量を減らすことが可能です。
また、無理な節水で不衛生になったり、かえって時間がかかったりすることも、持続可能な節水とは言えません。例えばお風呂の水を長時間溜めっぱなしにすると、雑菌が増え再利用に適さなくなりますので溜めっぱなしは避けましょう。また洗濯物をまとめて洗わず、少量ずつ何度も洗うのも水を多く使うためNGポイントです。」
「節水グッズ」を上手に取り入れることも対策のひとつに
日々の節水習慣に加えて、節水グッズを導入することも効果的だと言われていますが、どのくらいの節水効果が得られるのでしょうか。三富さんに、選び方のポイントも併せて教えていただきました。
三富さん「シャワーを1分間出しっぱなしにすると、約12リットルの水を消費します。シャンプーや体を洗っている間にこまめに止めるだけで、年間約1万5千円の節約に。節水シャワーヘッドを使えば、一般的に30〜50%程度の節水が期待できます。
シャワーヘッドを選ぶ際は、水圧が落ちない増圧機能付きや、手元で止水できるストップ機能付きが便利です。取り付けが簡単か、既存のシャワーホースに対応しているかも確認しましょう。
仕事や子育てに追われる忙しい中では、なかなかハードルが高いと感じる方も多いかもしれませんが、完璧を目指すのではなく、できることから一つずつ取り組む姿勢が大切です。細々とした日々の対策に追われることや、ストレスに感じることを防ぎながら、効率的に省エネ対策をしていくと良いですよ。」
身近なことから一歩ずつ。無理なくできることを少しずつ取り入れてみると、その積み重ねが節約につながります。三富さんに教えていただいた節水ポイントをさっそく実践してみませんか?