教えてくれたのは……ファイナンシャルプランナー・原田茂樹さん

ファイナンシャルプランナー。「家計平和から家庭平和へ」をモットーに、主に子育て世代に役立つお金の知識を届けている。通称「節約お兄さん」として、Instagramを中心に固定費を浮かせる節約術や資産形成について発信中。
海外旅行での支払い、じつは差が出る?「為替レート」と「手数料」の仕組み
旅先でクレジットカードを使う際、カード会社によって利用総額が変わることがあるのを知っていますか? そのカギを握るのが「為替レート」と「手数料」。同じ金額を使っても、選ぶカードによって損得が生じることがあります。
では、どんな仕組みで差が生まれるのでしょうか。「利用総額に差が出る3つのポイント」を紹介します。
海外での利用総額はこう決まる!
海外でクレジットカードを使った場合の支払総額は、以下の式で決まります。
利用総額=「外貨での利用金額」×「為替レート」×「所定の手数料」
このうち、「為替レート」と「手数料」に絡む3つの差が支払い額に影響します。
1.国際ブランドごとのレート差
為替レートの基準は、Visa、Mastercard、JCB といった国際ブランドがそれぞれ独自に定めています。これらの基準レートは、必ずしも市場の実勢レートと一致するわけではないため、差が出てしまいます。
2.処理日の違いによるレート変動
請求額は利用した日のレートで確定されるわけではなく、支払い後に国際ブランドが処理した日(処理日)で確定されます。
為替は毎日動くため、たとえば利用日では「1ドル=150 円」だったとしても、処理日に「1ドル=152 円」であれば、同じ利用額でも2円分高く請求されるということです。その反対に、円高になれば安くなることもあります。
3.発行会社の海外事務手数料の違い
カード会社によって海外事務手数料(1.6~3.85%)は異なり、利用金額に上乗せして請求されます。
また同じ国際ブランドであっても、カード会社によって異なるので注意が必要です。たとえば、同じVISAカードでも、A社は 1.6%、B 社は3.5%といった差が生まれることがあり、事前に確認しておくと安心です。
損を防ぐ!海外旅行で使うカードの選び方と使い方「4つのコツ」
実際にどんなクレジットカードを選び、どう使えば“損しない支払い”ができるのでしょうか。海外旅行前にチェックしておきたいカード選びと使い方のコツを紹介します。
1.現地で使えるかどうかの確認と、複数ブランドの所持
現地で使えるカードかどうかの確認はマストです。また、2つ以上の国際ブランドのカードを準備しておき、「現地で利用できない」を回避するようにしましょう。
2.海外利用手数料とポイント還元を確認する
海外利用手数料が高くても、ポイント還元率の高いカードであれば、結果的にメリットが得られる場合もあります。手数料だけで判断せず、カードのポイント還元率も含めて総合的に選ぶのがコツです。
3.海外利用の保険内容を確認する
カードに付帯する保険の内容を確認することも重要です。利用付帯か自動付帯か、医療費や治療費の補償上限金額、傷害・携行品損害・盗難がどこまで補償されるか、家族も対象になるかなど、細かい条件までしっかり確認しておきましょう。
4.支払いは必ず「現地通貨」で
支払い手続きの中で、日本円か現地通貨のどちらで支払うかを選ぶ場面があります。お店側が、独自の為替レートや手数料を上乗せしていることも。不要な出費を避けるためにも、支払いは現地通貨で行いましょう。
カードの選び方・使い方を見直して、海外旅行を楽しもう
海外での支払いは、ちょっとした知識と準備で大きく差がつきます。 旅先で安心して過ごすためにも、カードの選び方と使い方をしっかり見直しておきましょう!


