教えてくれたのは……ファイナンシャルプランナー・原田茂樹さん

ファイナンシャルプランナー。「家計平和から家庭平和へ」をモットーに、主に子育て世代に役立つお金の知識を届けている。通称「節約お兄さん」として、Instagramを中心に固定費を浮かせる節約術や資産形成について発信中。
キャッシュレスや家計管理アプリの賢い活用方法
近年はキャッシュレス化が進み、スマホ決済やカードを使う機会が増えています。さらに家計管理アプリを取り入れる人も多く、デジタルツールはますます身近な存在になりました。
ファイナンシャルプランナー・原田茂樹さんによると、これらのサービスはとても便利ですが、使う際にはいくつか押さえておきたい注意点があるのだそう。今回は、キャッシュレス決済や家計管理アプリの賢い活用方法や、年末年始の支出を無理なくコントロールするための工夫について教えていただきました。
1. キャッシュレスのメリットとデメリットを正しく理解する
キャッシュレス決済を活用する際は、キャッシュレスのメリットとデメリットを正しく理解しておくことが大切です。キャッシュレスは上手に使えば「味方」になりますが、理解が甘ければ「散財の元」にもなります。
これは、キャッシュレス決済は現金での支払いより手軽なぶん、使いすぎにつながりやすくなるという、「キャッシュレス効果」と呼ばれる現象があるためです。タップひとつで決済が完了するため、「お金が減っている感覚」が希薄になり、同じ商品でも“買いやすくなる”ことが研究で実証されています。
さらに、ポイント還元やキャンペーンなどの“お得感”が判断を鈍らせます。「今なら安いし……」と余計な出費に気をつけなければいけません。
とはいえ、キャッシュレスそのものが悪いわけではありません。明細が自動で記録される、支払いがスムーズになる、ポイントが貯まるなど、家計管理に役立つメリットも多くあります。大切なのは、キャッシュレスの仕組みを正しく理解したうえで使いこなすこと。
特に年末年始のように出費が膨らみやすい時期は、利用履歴をこまめに確認する、決済手段を絞る、予算を決めて使うなど、意識的な対策を心がけましょう。
2. アプリで記録した支出履歴を定期的に見直す習慣をつける
家計管理において大切なのは、「この1ヶ月のお金の使い方はどうだったか」「無駄遣いはどこにあったか」 といった支出記録を定期的に見直す習慣をつけることです。家計簿アプリを使えば、レシートの集計や整理、記録といった手間が大幅に省けるため、家計管理のハードルが下がります。
ただし、アプリで日々の支出を自動的に記録するだけでは家計は改善されません。大切なのは、お金の使い方を自分で振り返る時間をしっかり取ることです。支出履歴をまとめて見直すことで、どこにお金が流れているのかが明確になり、自然と翌月以降の家計バランスが整いやすくなるのです。
支出状況を定期的に確認し、使いすぎを未然に防ごう
キャッシュレス決済は便利ですが、その反面、使い方次第ではかえって支出が見えにくくなるというデメリットもあることがわかりました。便利さに頼りすぎるとお金が減っている実感が薄れ、気づかないうちに使いすぎてしまうこともあるのですね。アプリなどを使って自分の目で定期的に支出状況を確認し、改善できるポイントを探してみましょう。


