扶養の壁、2025年はどうなる?
2024年10月の社会保険の加入の条件の変更や、2025年の税制改革などにより、「結局、扶養の壁はいくらなの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
扶養の壁には、
- 妻自身の税金が増える壁
- 夫の税金が増える壁
- 妻自身が社会保険に加入する壁
この3つの壁があり、それぞれラインが異なっていて分かりにくいので一覧にしてみました。
国税庁・厚生労働省のホームページを参考に執筆者作成
参考:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」
:厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」
所得税の壁は2025年と2026年だけ特別に160万円
所得税が発生する年収はこれまで103万円でしたが、2025年は160万円に大幅に引き上げられます。けれども、これは2025年・2026年だけの特別措置です。
2027年以降は123万円を超えると所得税が発生します。
所得税の壁は増えても社会保険の壁はそのまま
所得税の壁は160万円になっても、社会保険料を払う必要が出る130万円・106万円の壁は変わりません。
また、所得税や住民税などの税金については、壁の年収を超えても、社会保険料控除や生命保険料控除などの控除を利用することによって、ある程度税金を軽くすることができるのですが、社会保険に加入することになると急に負担が増えます。
社会保険の壁を超えそうになったら、働き方を意識したほうがいいです。
社会保険に加入すると手取りはどうなる?
社会保険に加入することになると手取りはどうなるのか、年収別にシミュレーションしてみました。
年収別手取りシミュレーション 全国健康保険協会のホームページを参考に執筆者作成
参考:全国健康保険協会
このように、扶養から外れて、社会保険に加入することになると手取りが大きく減ってしまいます。
扶養の壁を超えることはデメリットばかりじゃない!
扶養から外れて、社会保険料の負担が増えると手取りが減って損したような気持ちになりますが、デメリットばかりではありません。
社会保険に加入することで、
- 将来受け取れる年金が増える
- 病気やケガで長期間休んだ時に「傷病手当金」をもらうことができる
などのメリットも増えます。
「今の手取り」だけで判断せず、将来を見据えて考えることが大切です。
自分にとって最適な働き方を選んで
実は私も、パートを始めるときに、社会保険に加入するかどうかすごく迷いました。
「手取りが減るのは嫌だな」と思ったのですが、将来の年金が増えると聞いて、思い切って扶養から外れて働く決心をしたんです。
結果として家計も助かったし、自分の貯金も増えました。
そして、子どもの学費がかかるときも「しっかり応援できた」ことが本当に良かったと思っています。
ライフプランを考えて働き方を選択しよう
扶養の壁は確かに気になるポイント。
でも本当に大事なのは、
「どんな働き方が家計に合っているか」
「扶養のままで子どもの学費を確保できるか」
「将来の年金は本当に安心か」
など、ライフプランをしっかり考えて選択することです。
- 「今の手取りをできるだけ減らしたくない」なら、壁の手前で働くのもひとつの方法。
- 「子どもの学費や将来の年金・保障を重視したい」なら、壁を越えてしっかり働くのも選択肢。
これからの時期、働き方と家計を見直すいいタイミングです。
「自分はどちらを優先したいのか?」を考えて、あなたに合った働き方を選んでみてくださいね。