年金額はこれで決まる!
年金は、日本国内に居住している20歳以上60歳未満の人に加入義務があります。20歳から年金保険料を支払い始め、原則65歳になったらお金をもらうことができる制度です。
将来もらうことができる年金額は、基本的に、「いくら保険料を支払ったのか」ということに比例して決まります。つまり、たくさん年金保険料を支払った人が多くもらえ、逆に年金保険料の支払いが少なかった人はもらえる年金が少なくなる仕組みです。
例えば、会社でサラリーマンとして長く働いていた方(第二号)の場合、自分はもちろん、会社も年金保険料を支払ってくれているので、将来もらえる年金額は多くなる傾向が見られます。
一方、自営業で働いていた方(第一号)の場合、年金保険料は、自分だけが支払っているので、一般的にサラリーマンの方に比べて少なくなるでしょう。
さらに、専業主婦や、パート勤務で年収が一定額以下の方(第三号)の場合、年金保険料を自分で支払っていません。夫がサラリーマンなどの第二号被保険者の場合、第三号の妻も将来年金を受け取ることはできますが、サラリーマンの方などと比べると、金額が安くなります。
このように、もらえる年金額は、今まで支払った年金保険料によって大きく変わることを覚えておきましょう。
【タイプ別】将来もらえる年金額例
では、具体的に、どのくらい将来年金を受け取ることができるのかチェックしていきます。厚生労働省が公開している資料「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」に基づき、令和7年の場合についてタイプ別に見ていきましょう。
パターン1. サラリーマン20年以上の男性
平均厚生年金加入期間39.8年、平均収入月50.9万円だった場合の年金額:
月額173,457円
パターン2. 自営業20年以上の男性
平均厚生年金加入期間7.6年、その他は主に第一号として国民年金に加入、平均収入月36.4万円だった場合の年金額:
月額62,344円
パターン3. サラリーマン20年以上の女性
平均厚生年金加入期間33.4年、平均収入月35.6万円だった場合の年金額:
月額132,117円
パターン4. 専業主婦やパートで第三号の女性
平均厚生年金加入期間6.7年、その他は主に第三号、平均収入月26.3万円だった場合の年金額:
月額76,810円
そして、同じく厚生労働省の資料によると、夫婦2人の標準的な厚生年金は、月232,784円となっています。これは、男性の平均的な収入月45.5万円で、40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。サラリーマンの妻の方は、ぜひ参考にしてみましょう。
まとめ
「年金制度は難しくてよく分からない」と感じている方でも、パターン別に見ると、将来もらえる年金額が具体的に理解できますね。年金は、老後のマネープランを立てる上で重要なポイントです。今回ご紹介した内容を参考にしながら、自分のもらえる年金額を大体把握しておくようにしましょう。
※本記事で紹介している年金額や加入区分ごとの傾向は、厚生労働省が公表した令和7年度の標準的な試算(出典:厚生労働省「令和7年度の年金額改定について」)に基づく概算値です。実際の受給額は、加入期間・報酬額・免除や追納の有無・受給開始年齢(繰上げ・繰下げ)など個人の状況によって異なります。


