短時間労働者の平均賃金
まずは、最新の調査結果から、パートなどの短時間労働者の平均賃金を確認していきましょう。
厚生労働省が発表している「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、短時間労働者の1時間当たり賃金は、以下になっています。
<短時間労働者の1時間当たり平均賃金>
- 男女合計:1,412円
- 男性 :1,657円
- 女性 :1,312円
パートで働いている主婦の方は、自分のもらっている賃金と平均賃金をぜひ比較してみましょう。
「生涯賃金」を計算してみよう
では、従業員数が100人以上の規模が大きい企業でパートで働き続けた場合、一生でもらえるお金を計算してみましょう。例えば、以下のような例を考えてみます。
<生涯賃金の計算例>
パート主婦Aさん35歳は、出産して子どもが幼稚園に入ったタイミングでパートを始めました。時給は1,400円です。一日5時間週5日働き、60歳まで勤務したとします。すると、以下の通り、4,200万円の生涯賃金となります。
- 1,400円×5時間×20日(1ヶ月)×12ヶ月×25年間=4,200万円
ただし、4,200万円すべてが手取り金額となるわけではありません。社会保険料や税金などを支払わなければならないため、手取り金額は4,200万円よりも少なくなってしまいます。家族構成などにもよりますが、Aさんの税金や社会保険料は、大体年間25~30万円くらいです。手取りの生涯賃金は、以下の通りとなります。
- 4,200万円-(30万円×25年間)=3,450万円
それでも働き続ければ、仕事をしなかったケースと比べて、約3,500万円近いの収入を得ることができます。
このお金を活かせば、日々の買い物に利用したり、マイホームの頭金にしたり、子どもの教育資金にしたり、自分の老後資金にしたりと、家計が経済的に豊かになることが分かります。
「働き続けること」の大切さ
さらに、先ほどの例の場合、年収が106万円を超えているなど一定の条件を満たしているので、パート主婦の方ご本人が社会保険料を支払います。社会保険料を納めると、毎月の手取りの金額は減ってしまいますが、将来もらえる年金の金額がアップするので、より豊かな老後の生活を過ごせると考えられます。
パートで働いている方の中には、「パートの仕事が大変」「正社員に比べて収入も少ないし辞めたいな」と感じる時もあるかもしれません。
しかし、働き続けると、生涯賃金は大幅にアップし、人生が経済的に豊かになります。自分の時給から生涯賃金を計算して、働くモチベーションを高めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
「塵も積もれば山となる」と言われている通り、パートの時給を使って生涯賃金を計算してみると、自分がどのくらい一生でお金を稼ぐことができるのか実感を持てるでしょう。今回ご紹介した内容を参考にしながら、ぜひ自分の生涯賃金を計算してみてはいかがでしょうか。