専業主婦は「第三号被保険者」
日本では、全ての国民が年金制度に加入する必要があります。そして、その人の職業によって、年金制度は3つに分類されています。
まず、自営業で仕事をしている「第一号被保険者」、サラリーマンなどで給与をもらっている「第二号被保険者」、サラリーマンなど厚生年金保険加入者の扶養家族である配偶者の「第三号被保険者」です。
サラリーマンの妻で、収入がない専業主婦は、第三号被保険者に該当します。また、妻がパートなどの短時間労働を行っていても、年収が106万円以下など一定の条件を満たすと、第三号被保険者に分類され、年金保険料を支払う必要はありません。
第三号被保険者は、自分で年金保険料を支払う必要はありませんが、条件を満たすと、年金をもらうことができます。
第三号被保険者がもらえるのは「老齢基礎年金」のみ
第三号被保険者の方は、老齢基礎年金というものがもらえます。
20歳から60歳になるまで、40年間ずっと第三号被保険者であった場合は、令和6年4月時点で、満額81万6000円が年金額(年額)となります。毎月では、6万8000円です。なお、この年金額は、毎年調整されるため多少変動します。
なお、専業主婦(第三号被保険者)になる前に、自分も会社員として働いており、第二号被保険者の時期があった方などは、厚生年金制度に加入していたため、年間約80万円よりも多くなります。
一方、年金制度に未加入だった時期がある場合などは、もらえる年金額が減額されます。
老後資金を増やす方法
年間約80万円という金額を聞いて、みなさんは多いと感じたでしょうか。少ないと感じたでしょうか。
実際、生計維持者である夫と老後も一緒に暮らしていく場合、専業主婦の方の年金だけではなく、夫の年金や退職金などを老後資金として生活していくこととなります。そのため、貯金や老後資金は、年間80万円以上の準備ができているケースが多いでしょう。
しかし、専業主婦の方の中は、自分がもらえる年金が80万円だと聞くと、豊かな老後を過ごすためには少し足らないと不安になる方もいるかもしれません。
そこで、専業主婦の方が、自分の老後資金を増やしていく方法をチェックしていきましょう。
- 仕事をして収入を得る
- 自分で年金保険料を納める
- iDeCoなど資産運用でお金を増やす
- 年金の繰り下げ受給を行い、もらえる年金額を増やす
今よりも老後資金を増やすために、最も効率的な方法は、働いて収入を得ることです。パートなど、短時間労働でもいいので、仕事をして収入を得ることで、将来の老後資金とすることができます。
さらに、パートなど短時間労働者の方が年収が130万円を超えると、自分で年金保険料を納付することになります。夫の扶養を外れますが、将来もらえる年金額がアップします。
その他、自分で資産運用を行いお金を増やす方法や、年金の受取時期を遅らせて、もらえる年金額を増やす年金の繰り下げ受給と言う制度を使う方法もあります。
子育てなどがひと段落し、少し時間ができた専業主婦の方などは、老後資金を増やすために自分ができる方法はないか、ぜひ検討してみましょう。
まとめ
実際に、将来もらえる年金額を具体的に知ると、老後の生活をイメージしやすくなりますね。専業主婦の方も年金をもらうことができますが、働いている方に比べると、決して多いとは言えません。豊かな老後の生活を送るために、今できることはないか検討し、具体的な老後の資金計画を立てるようにしましょう。