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【年収の壁問題】「子どものアルバイト収入」と年収の壁の“気になる注意点”とは?

働く・学ぶ

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2025.05.28

2025年の税制改正により「年収の壁」が大きく変更になります。特に、アルバイトをしている学生の収入は注意が必要です。今回は、学生の子どもがアルバイトをする上で気を付けたい点をお伝えします。

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「年収の壁」とは? 意識すべきポイント

大学生出典:www.photo-ac.com

「年収の壁」とは、税金や社会保険料の負担が発生する収入のラインを指します。年収の壁を超えると税金や保険料の負担により手取り額が減り、「働き損」になる可能性があります。特に学生は、学業とのバランスを考えながら調整することが大切です。
また、年収の壁には「税金の壁」と「社会保険の壁」があり、それぞれ影響する基準が異なります。さらに子どもの収入が子どもの手取り額だけでなく、親の手取り額にも影響するラインがある点にも注意しましょう。

学生がいる家庭の「年収の壁」

アルバイトをする大学生出典:www.photo-ac.com

今回の税制改正で所得税の基礎控除額と給与所得控除額が見直され、所得税の壁が103万円から160万円となりました。また、19~22歳の子どもがいる家庭では、扶養控除の適用基準の見直しにより、扶養要件が103万円から150万~188万円となり働き方の調整がしやすくなりました。しかし、社会保険の扶養基準は変更がない点に注意が必要です。

【19~22歳の学生とその親の年収の壁】

19~22歳の子どものアルバイト収入による年収の壁は、以下のようになります。

  • 103~110万円超 →子どもに住民税が発生(地域により異なる)
  • 128万円超 →国民年金の学生納付特例の適用外
  • 130万円以上 →健康保険の扶養から外れる
  • 150万円超 →親の所得税の扶養控除が段階的に縮小
  • 160万円超 →子どもに所得税が発生/親の住民税の扶養控除が縮小
  • 188万円超 →親の住民税・所得税の扶養控除の適用外

【19~22歳以外の学生とその親の年収の壁】

例えば大学院生の子どものアルバイト収入による年収の壁は、以下のようになります。

  • 103~110万円超 →子どもに住民税が発生(地域により異なる)
  • 123万円超 →親の住民税・所得税の扶養控除の適用外
  • 128万円超 →国民年金の学生納付特例の適用外
  • 130万円以上 →健康保険の扶養から外れる
  • 160万円超 →子どもに所得税が発生

大学生と親出典:www.photo-ac.com

今回の税制改正で、これまで多くの家庭が意識していた103万円の壁が見直されましたが、社会保険の年収の壁には変更がありません。世帯全体の手取り額を考慮に入れ、家庭で子どもとアルバイトをどのくらいするのかあらかじめ話し合っておくことをおすすめします。

また、親の勤務先で扶養手当が支給されている場合は、支給条件が今回の税制改正に合わせて変更になっている可能性があるので、事前に確認しておくと安心です。

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著者

山根純子

山根純子

ファイナンシャルプランナー、マイライフエフピー®認定ライター 結婚・出産・専業主婦を経て、社労士事務所で社会保険・労働保険の実務を20年以上経験。お金は「貯め時」もあれば、「使い時」もあります。 妻となっても母となっても、女性が自分のやりたいことがやれるようにお金の面のサポートさせていただきます。

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