教えてくれるのは……ウェルスナビ株式会社 小松原さん
働く世代が豊かさを実感できる社会をつくりたいという理念に共感し、ウェルスナビにセミナー講師として入社。これまでに、500回以上の資産運用セミナーに登壇し、参加者からの多くの質問にも答えている。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
じっくり考えてから…はもったいない
前回は、2024年からの新しいNISAについて解説をしました。お伝えしたように、新しいNISAは使いやすさが格段に上がり、パワーアップしました。
「気になるけど、もっとじっくり調べてから……」と考える方もいると思いますが、興味を持った今がチャンス。なぜなら、NISAを「まずは始めてみる」という行動が大事だからです。
時間を味方につけるには「なるべく早く」が秘訣
資産運用を始める前には、たしかに最低限の知識は必要です。しかし、とにかく「始めてみる」ことが大事だとお伝えするのには理由があるのです。
資産運用を成功させる秘訣は、「なるべく早く始めて、なるべく長く続ける」こと。長い時間をかけて、コツコツ続けることが成功への近道になります。
例えば「今すぐNISAを始めて、資産が成長するまでじっくり待った人」と、「『いつかはNISAを始めよう』と思いながらも、預貯金だけで資産を持ち続けていた人」では、10年、20年後の資産に大きな開きが生まれる可能性があるのです。
ここで一つ、図を見てみましょう。
※画像提供:ウェルスナビ
約30年前から現在まで、世界中のさまざまな資産に分散して投資をしていた場合、ウェルスナビのシミュレーションでは資産は「約3.3倍」に成長しています。
短期的には金融危機に見舞われることはありますが、時間をかけてその影響を乗り越えてきました。
世界経済は長期の目線では徐々に成長しています。長期で投資をすることで、その成長の恩恵を受けることが狙えるのです。「なるべく早く」始めることで、時間を味方につけられるようになります。
投資の経験を積むことが、自分の財産になる
投資は自分の大切なお金を扱うものですから、もちろん感情が動きます。相場によって、資産が増える日もあれば、減る日もあります。「少しでも下がると、心配で仕方がなくなる」「増えるとうれしい、一日気分がよくなる」など、自分が実際にどう感じるかは経験してみないとわかりません。
投資は「なるべく早く始めて、長く続けること」が大事だとお伝えしましたが、長く続けるうえで、自分の感情の動きを知ることはとても大切です。一喜一憂せずに、とにかく続けることが肝だからです。
最初は不安が大きくても、徐々に慣れていきます。小さな金額での投資でも、今から経験を積んでおくことが、いずれ投資にまわす金額を増やす際に、自分にとっての財産になるはずです。
今はまだ不安……という場合は、小さな金額からはじめてみましょう。そして、投資に回すのは「当面使わないお金」にすることも、覚えておいてください。
まとめ
投資はまずは「行動すること」が大切です。「勉強してから」は大切な心構えですが、正しい知識を身に着けたとしても、正しい行動をとれるとは限りません。
時間を味方につけるために、まずは「一日でも早くはじめて、長く続ける」こと。そして、投資の経験を積むという行動自体が、未来の自分のための投資につながります。将来の自分を豊かにするためにも、まずは「始めてみる」ことを考えてみませんか。