日本の平均貯蓄額と中央値
まずは、日本の平均貯蓄額と中央値をチェックしていきます。
ここで、平均と中央値の違いがよく分からないという方もいるかもしれません。平均値の場合、例えば、貯蓄が30億など、極端に高い人が一人でもいると、平均がぐんっと上がってしまうことがあります。一方、すべての貯蓄額を小さい方から大きい順に並べた場合に、真ん中になる値が中央値です。貯蓄の中央値の方が、より現状に沿った値となっているので、参考にしやすいと言えます。
総務省の家計調査報告(貯蓄・負債編)2024年平均結果によると、2人以上世帯における、2024年の1世帯当たり平均貯蓄現在高と中央値は以下の通りとなっています。
- 平均貯蓄:1,984万円
- 中央値 :1,189万円(全世帯の貯蓄額を小さい方から大きい順に並べた場合に、真ん中になる値)
平均貯蓄が約2,000万円と聞くと、びっくりする方もいるかもしれません。しかし、実際のところ、全体のうち、約3分の2の世帯が、貯蓄現在高の平均値である1,984万円を下回っています。そして、中央値は1,189万円なので、貯蓄1000万円前後の世帯が多いと分析でき、より現状に沿っていると言えるでしょう。出典:stock.adobe.com
貯蓄は年々増加傾向
日本では、1世帯ごとの貯蓄額が年々増加傾向にあります。同じく総務省の資料によると、平均貯蓄残高は以下の通り推移しています。
<年別平均貯蓄残高>
- 2019年:1,755万円
- 2020年:1,791万円
- 2021年:1,880万円
- 2022年:1,901万円
- 2023年:1,904万円
- 2024年:1,984万円
2024年の平均貯蓄額は、5年前の2019年と比較して、約130万円アップしています。ただし、日本ではここ最近急激な物価高が続いており、貯蓄が増えたからと言って、経済的に生活が大きくよくなったというわけではないでしょう。貯蓄アップについて、あまり実感がない方も多いかもしれません。
平均と比較して分かること
では、日本の平均貯蓄額や中央値と、自分の貯蓄額を比べてみましょう。みなさんのご家庭は、平均よりも高いでしょうか、それとも低いでしょうか?
平均や中央値に近い方や、超えている方は、一般的な日本人の経済水準を満たした生活を送れていると考えてよいでしょう。一方で、平均貯蓄額より大幅に貯蓄が少ない方は、なぜそうなってしまったのか、原因を追究する必要があります。
例えば、「最近マンションを購入したばかりで、頭金に貯蓄を使い、貯蓄が大幅に減った」など、理由が明確で、今後は貯蓄が確実に増えていく場合は問題ありません。
しかし「毎日働いていて、貯蓄をしようとしているにも関わらず、お金が増えていない」という場合、お金の管理方法などに問題がある可能性があります。毎月の貯蓄額を決めていない、もらったお給与が余ったら使い切ってしまっている、夫婦共働きだが相手の貯蓄額を把握していないなど、各家庭のお金の問題点を見直す必要があります。
まとめ
日本の平均貯蓄額と自分の家庭を比べると、自分の家計を客観的に分析することができます。上手にお金を貯めることができていない場合、何が問題なのか原因を突き止めて、できるところからお金の管理方法を見直していきましょう。